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ヤフーの1on1 本間浩輔 著

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ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法 [ 本間 浩輔 ]
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1.はじめに

今勤めている会社でも、1on1ミーティングは奨励されています。

ただ、本書に紹介されているYahoo社のように、人事制度化まではされていません。

個人的には、取り組む意義・メリットは感じており、形式的には1on1を一部取り入れています。

しかしながら、自分がやっている1on1は正直まだまだだな、というのが読んだ感想です。

冒頭、マンガからはじまるのも斬新で、文章だけではあらわすことのできない、上司・部下の表情も描かれていて、確かに自分もこんな顔しているかも、と思い、反省しながら読むことができました。

2.内容

(1)マンガで学ぶ1on1ミーティングの基本

  • 1on1でまず大事なことは「部下に十分に話をしてもらうこと」です。なぜなら、1on1は部下の行動や経験学習を深めることを目的としていて、そのためには、部下は自分の経験を詳細に思い出して、言葉にして、深く内省することが必要だからです。
  • 1on1は部下の成長のために行われるものであり、上司が状況把握をするものではありません。ここで大切なのは、部下がその状況から何を学び、次の行動にどう活かしていくのかということです。ここでの上司の役割は、部下の学びの支援であり、そのための対話であることを意識する必要があります。
  • 上司は「彼はそういうところがある」と決めつけています。ここに1on1を上司と部下の間で行うことの難しさが表れています。なぜなら、上司と異なる見立てを持っていたとしたら、部下はそれを表明しづらくなるからです。1on1は評価のための面談ではありません。良い悪いの判断は避け、部下の思いや考えを深めるための問いかけをするべきです。
  • 1on1では、考えを深めるツールとして「言い換え」をよく使います。部下の発言から状況を想像して、適切な言葉を選び、部下に投げかける。このとき、上司の語彙が豊かであればあるほど、よき1on1ができる可能性が高まります。このような上司のニュートラルな反応を契機に、部下はさらに考えを深め、だんだん掘り下げて問題の品質を探っていくことになります。
  • 対話を進めることで問題の本質が見えてきます。しかし、次の行動=問題への対処について、部下より先に上司が示してしまってはいけません。部下が自ら思いついて行動に移すことが大切です。対話によって考えを深め、主体的に問題解決の方法にたどりつくことが部下の成長につながるからです。その観点からすると、上司が行動を指示する発言は、部下の成長機会を奪ってしまいます。
  • 部下の「僕には能力がないから」は、自己評価と「そんなことはないよ」と言ってもらいたい気持ちが入り混じっているように聞こえます。ここで上司が「そんなことはないよ」などと言ったとすると、部下にとってはうっすらと期待していたメッセージをもらえたことでホッと満足してしまい、思考はそこで止まります。深まることはありません。

(2)1on1とは何か

  • 1on1では経験学習のサイクルをまわすことをイメージしています。社員の具体的経験をもとに、その経験を掘り下げて(省察的観察)、教訓を引き出し(概念化)、次の仕事(新しい試み)に活かしていく、このサイクルを何回も回転させることによって、社員の学びを深めていくのが狙いです。
  • 「1on1は部下のために行う」を上司が理解できるかどうかが、1on1導入の成否を決定します。上司が1on1をわかったつもりでも、実際には、上司が伝えたいことを伝える場になっているというパターンです。「1on1は部下のために行う」を理解して、「今日は何を話そうか」という問いを、1on1の初めに聞くことを習慣化すると、「何を話そうか」と尋ねられることを部下は認識するようになるので、あらかじめ話すテーマを探しておくようになります。つまり、当日その場で、ではなく、前もって経験学習でいう内省が始まる、ということです。
  • 典型的な1on1の上司の失敗に、アドバイスをしようと思うがあまり、「どういうふうに進めたいの?」などと、自分の理解のための質問をしてしまうことがあります。しかし、それでは詰問になってしまいます。この傾向は部下思いの上司ほど顕著ですが、それでは部下は育ちません。
  • 1on1においては部下が思っている通り、「しゃべっていいんだ」という気持ちで自由に話をしてもらうことが大切だということです。

(3)1on1における働きかけ

  • 上司と部下との信頼関係が1on1のベースであり、まずは信頼関係を構築することから始める必要があります。
  • アクティブリスニングで興味深いのは、多くのケースで、聞き手はオウム返しをしているだけだと実感するのに対し、話し手は聞き手がオウム返しをしているとは感じないことです。むしろ、「じっくり話を聞いてくれた」という感想を持つことがほとんどです。
  • 留意したいのは、共感や肯定的な配慮は、賛成や同意とは異なるということです。部下の感情に対して、上司は共感し、部下の感情を無条件に受け入れてはいますが、同意しているわけではありません。1on1においてレコグニションは、1on1を円滑に進めていくための態度であり、信頼関係を構築するための手段であることを強く意識してください。
  • 上司が投げかけた質問に部下がすぐに答えられないときは、「部下が脳みそに汗をかいて考えている」ときだから、大切な時間だと話をすることがあります。そういうときには、答え=言語化を急かしてはいけませんコーチングやカウンセリングでは「沈黙を大切にする」という言い方と基本的には同じです。
  • 問題点が明らかになったら、次は「ではどうする?」「いつやる?」などと、質問を具体的な行動に移行させます。1on1は、部下の「行動の質」を向上させ成果を上げるために行うものであり、そのために「部下の行動」→「1on1での振返り」→「行動の改善」というサイクルを繰り返していきます。

(4)1on1導入ガイド

  • 会社には管理職が向く人と向かない人がいます。これは良い悪いではなく、パーソナリティやこれまでの経験によるものです。部下のマネジメントが向かない人は、無理に管理職にならず、プレーヤーとして才能と情熱を解き放つ仕事ができればよいと考えています。そのため、1on1をうまくできないということは、管理職も不向きであるかもしれないということも繰り返し伝えました。
  • 「あの人は何を言っても理解しない」という言い方があります。では理解しないのは誰が悪いかというと、部下ではなく言っている側だと思います。言っている側が、部下に内省の機会を与えていないから、「理解しない」となるのです。
  • 以前は、プレーヤーとして優秀だった人をそのまま管理職にし、プレーイングマネジャーとして働いてもらっていましたが、管理職の仕事は部下が活躍する場をつくることだ、と改めたのです。理解できない人、できない人はその場からどいてくれということ。

3.教訓

はじめに、でも記載した通り、自分が実施している1on1は、単に部下の話を聞いて、自分の考え・判断を伝えているだけだと、改めて思いなおしています。

もちろん、担当者の方が知識があり、正確に事態を把握していることも多いのですが、過去の経験上や自身の人脈で、「これはこうして」、「ここはあの人に聞いて」、と答えが浮かぶこともあります。

そのとき、「自分で判断したり、動いたりする方が早い」と結果を急ぐのではなく、個人や組織の成長支援を考えたときに何が大切か、という視点を持つことが大切だと考えています。

また、先日テレビを見ていたときに、「向き合うだと”対峙”のイメージがあるが、同じ方向を向いて”並走”することが求められている」、というような発言があったのを思い出し、これに近い発想ではないかと感じました。