1.はじめに
自身は40代のため、タイトルに惹かれて本書を読みました。
20代向け・30代向けなどもありますので、適宜自身にあった本を手に取っていただくのがよいかと思います。
また、40代の本書も、女性向けのコンテンツだけで50ページほど割かれていますので、普段はこういったジャンルを読むことの少ない女性の方も、参考になる話も多いのではないかと推察します。
2.内容
(1)40代に必要な考え方、捨てるべき考え方
- 40代にとって最も捨てるべきものを、あいうえおにまとめた。
- あ:焦り
- い:いじけ
- う:上から目線
- え:遠慮
- お:怖れ
- 人と比べない。たしかにそれができれば、それに越したことはない。しかし、おそらく多くの方にとってそれは無理。だから、私はあえて「比べてもいい」と断言する。うらやんでもいい。そしてその自分を責めなくていい。その感情を無理に抑え込むことは、現実的に無理がある。
- 30代までは仕事がある程度、自分ひとりの直線的な動きで済むものだったのに対し、40代からは円を描いて、まわりの人たちを巻き込みながら進んでいく曲線型に変わる。40代になると「いかに自分のフォースを蓄えるか」よりも、まずは「いかに自分にとって無駄なものを整理整頓するか」が最優先事項となる。
- 相手と「なんだか合わないな」と感じたら、遅かれ早かれその相手から「離れる」ことを選択していい。そこに必要以上の罪悪感を抱く必要はない。無理に寄り添うことも、相手のいいところを探す必要もない。必要以上に自分の感情を押し込めすぎると、心が疲弊してしまう。
- いいじゃないか、つきあいが悪くたって。無理して気が乗らないところに行く必要などない。気乗りしないところばかりに行っていると、自分を抑え込んでまわりに合わせようとする「偽りの自分」になってしまう。
(2)40代は歳下から学べ
- 40代になると、完全に「歳上より、歳下や女性に対してどれだけの人望を得ることができるか」が幸・不幸を決める分岐点になる。歳下でも、フラットな目線で見ればすごい人はたくさんいる。その人たちが「あなたのためなら」と言ってくれる人間になるということは、彼らの力があなたに乗っかったようなもの。
- 年齢に関係なく伸び続けていく人は、共通して年齢や性別で人をジャッジしない。「次世代は優秀」、このことを念頭に置いて生きるだけで、世の中はさまざまな新しい発見をさせてくれるお師匠さんだらけになる。
- 人は成功からも学べるが、それ以上に失敗から学べることのほうが多い。なぜ失敗したのか、その失敗からどう立ち直ることができたのか、ということを伝えることで、聞く相手の頭のなかでマインドリハーサルをする。そして、その轍を踏まない知恵を身につけることができる。
- 笑顔でうなずく。このアクションは相手に絶大な安心感を与える。人は、自分に何かを与えてくれる人に必然的に魅力を感じるようになる。人は、流暢に話す人にはリスペクトは抱くが、確実に愛着を感じるのは、笑顔でうなずいてくれる人のほう。
- 男性は特に、自分の地位や過去の自慢話をしてしまいがちな生き物。こういう人はまずどこへ行っても相手にされない。そして、いくらいま地位やお金があったとしても、こういう人はおそらくどの場所でもそういう振る舞いをし、どんどん居場所がなくなっているに違いない。
- どんなことがあっても「いばらない」こと。「地位や勲章は単なる役割」と考えておく。「このポジションが持つ権限を使って、どうまわりの役に立てるだろう?」といつも考える癖をつけよう。
- 「地位が高い人は立てなければいけない」という無意識の刷り込みがあるから、人は悪気なくあなたをチヤホヤするかもしれない。しかし、それを「調子に乗るか、謙虚になるか」という、天からの引っ掛け問題と思っておけばいい。
(3)40代は女性が輝く10年間
- 間違いなく、今後は男性中心のパワー軸社会から、女性中心の”共感型社会”に変わる。つまり、時代を支配する社会的価値観が「どっちが勝つか、負けるか」という基軸から、「どれだけいいものをシェアできるか」という基軸に移り始める。とにかく「女性だから」と上から目線で接する人たちの時代は既に終わった。
- 働く女性として大切にしている3つのこと
- 子どものことで悩む時間があるのなら、その時間を自分の好きなことや人生の生きがいにあてるように心がけること。
- 子どもがどんな状態であったとしても、母親自身が巻き込まれないようにしっかりと自分を律すること。自分の機嫌は自分で取りながら明るく生きること。
- 子どもの出来不出来に関係なく、どんなときも一番の味方でいること
(4)これまでの延長ではうまくいかなくなる、40代の仕事論
- もちろん仕事によって関わる人の数の多少はあるものの、ひとりで成し遂げることができる仕事など皆無と言っていい。たとえば幸運にもあなたが花形ポジションを任されたとしよう。そのときに、まわりへの「おかげさま」と「感謝」、そしてできる限りの人に花を持たせることを忘れないようにしよう。そんな感謝のない人に、いつまでも力を貸してくれるほd、世の中は優しくはできていない。
- 人にお願いし、任せる力をつけよう。苦手な分野を埋めようなどと考えるのではなく、仕事に精通している人にお願いすればいい。苦手なら、得意な人を探せばいい。そういう人にお願いすることで、人の出番をつくることにもつながる。「あなたの苦手は誰かの得意」。
- 周りの第一陣が踊り始めたとき、言い出しっぺは踊りをやめ、静かにそのメンバーの盛り上がりのバックフォローに回ることが大切。いつまでも言い出しっぺがひとりでがんばるということは、第一陣の盛り上がりを抑え込んでしまうということになる。ムーブメントを起こす上で一番大切なのは、実はリーダーではなく、このリーダーを取り巻く第一陣の力だということになる。
(5)40代をあきらめて生きるな
- 人生の最期を迎えるとき、人が後悔することの一番の理由が、「まわりの目ばかりを気にせずに、もっとやりたいことをやればよかった」というもの。「やりたいことをやらない、つまり、それをあきらめることで得られるほど大切なものは何なのか?それほど得なものなのか?」ということを考えてみる。
- 仕事を単なるご飯を食べるための、所得を確保するためのものと捉えるか、もしくは自分の人生を自分らしくデザインするためのものと捉えるかで、人生の充実度は大きく変わる。
- ギブアンドシェアの連鎖は、奪い合うものではなく、キャンドルサービスのようなもの。自分の火をまわりに灯すことで、自分を中心にまわりがどんどん明るくなっていく。もし自分の火が消えそうになったとしても、それはまわりの人が再び灯してくれる。
3.教訓
最近本当に感じるのは、人はひとりでは仕事が完結しない、ということです。
また、管理職になると自分で実際に手を動かすことは減っていき、仕事を進めていて「ここが問題だ」と感じることがより強く出るのは、実際に作業をしている実務者の感覚のほうだと思います。
そのため、例えば、誰かがお休みのときに代わりに実務を担当すると、「あぁ、毎回こういった細かい対応をしてくれたんだな。この前に課題認識してくれていたのはこのことだったのか。」とありがたみを感じることができます。たまに担当業務を実際に経験してみるのは、自身の新たな気づきにつながります。
今さら弱みを補完しようとは考えず、できる人に頭を下げてお願いし、自分だけが頑張るのではなく、自分も周りもハッピーになるやり方を考えていこう、と思います。特に調子に乗って裸の王様だけにはならないように注意したいと強く感じました。
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