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いつも機嫌がいい人の小さな習慣 仕事も人間関係もうまくいく88のヒント 有川真由美 著

1.はじめに

タイトルの通り、見開き2ページ分で、88個のちょっとした習慣が記載されています。中には、習慣だけでなく、考え方、心の持ちようといったものも含まれます。

人によっては、既に取り組んでいることや、「今の自分にはちょっと合わない」と感じることも含まれているかもしれません。

しかし、本書の「はじめに」で、

  • 続けるためには、一度にたくさんやらないこと
  • この本の中から「これできそう!」と心に響くものから始める
  • はじめは人が習慣をつくり、それから習慣が人をつくっていく

といったことが書かれており、「全部取り入れなきゃ」といったことではありません。

以下では、自分自身が気になって、始めてみようと思ったことだけを抜粋して引用します。もちろん、人によって響くものは違うと思うので、本書を手に取って、自身に合うものから始めていただくのがよいと思います。

2.内容

(1)あなたの未来を変える、ちょっとした習慣

  • せっかく挨拶をするなら、丁寧にやる。笑顔で声をかけることはもちろん、心がけてほしいのは「相手に体ごと向けて、目を見て挨拶する」ということ。挨拶とは単なる儀式ではなく、「あなたを認めています」と尊敬や愛情などの”気持ち”を伝えるメッセージ。
  • モノを捨てられない人は、「(モノが)使えるか、使えないか」で判断する。モノを捨てられる人は、「(自分が)使うか、使わないか」で判断する。「もったいない」と罪悪感を持つ必要はない。使わず放置していることこそ、愛のない行為。無視するのと同じ。
  • ときどき空を見上げる。せかせかしているとき、イライラ、クヨクヨしているときは、大抵、下のほうを向いて、心の視野も狭くなっているもの。身近にある大切なことや大切な人も、目に入らなくなってしまいがち。物理的に視野が広がると、心の視野も広がる
  • 朝起きたときにベッドを整える。朝の「小さな達成」は、自信と勇気になり、1日の終わりにはたくさんのことを達成し、それがいつしか大きな達成となっていく。ベッドメイク1つで、1日の質が向上し、人生の質も向上する

(2)漠然とした不安が解消できる、お金に好かれる習慣

  • 自分自身に投資する。習い事に投資して、一生モノの「評価」を得たことになる。収入云々ではなく、「自分を成長させて、人に喜んでもらうこと」そのものが、人生で一番の満足であり、一番のリターンではないかと思う。
  • 「お金がない」と言わない。「いまのお金でもじゅうぶん暮らせる」「本当に欲しいものがあれば、お金はなんとかなる」・・そんな風に思うようになり、現実的にそうなってきた。「お金がない」という言葉は、自分自身を不自由にする
  • 「なんとなくお金を使う」のと、「価値を考えてお金を使う」のは、たいへん大きな違い。出ていくお金に「ありがとう」と感謝する習慣を持つと、生きる喜びは倍増する。お金はそれを得ることが目的ではなく、価値と価値とをつないで幸せを得るための、ありがたい”橋渡し”の役目だと気づかせてくれる。
  • 「自分の経済的価値」を意識する。組織の中で働いている人も、自分商店を開いているつもりで「自分は何ができるのか」「自分の何に価値を感じてもらえるのか」を考えると、収入には反映されなくても、信頼や感謝、自分の居場所、発言権など多くの報酬を得ることができる。

(3)コミュニケーションがとれて、仕事がスムーズになる習慣

  • 相手の名前をたくさん呼ぶ。「ねぇ、どう思う?」と言うより「●●さんは、どう思う?」。「相談があるんですけど」と言うより「●●さんに相談したいことがあるんです」。自然に相手の顔を見るようになり、相手もちゃんと応えようとしてくれる。一言に名前を散りばめる、たったそれだけのことで人は「自分を認めてもらえている」と確認できる
  • 本当に頼み上手な人、誘い上手な人は、相手に”逃げ道”を用意してあげる。だから頼まれるほうも気がラク。やさしさや気遣いが感じられて、できることは快く応じるし、難しければ「全部はできないけど少しなら」とか「次回はぜひ」と、相手を思いやる言い方になる。無理なYESではなく、「この人は付き合いやすい」という信頼を得る。
  • 正しいことを言うときほど控えめに。正しいと思うことを意見したり、間違いを指摘したりするのがいけないのではなく、”言い方”に気をつける必要がある。正しいと思うことほど、あえて”下から目線”の感覚で控えめに言ったほうが、相手は素直に聞けるはず。賢い人は、「正しさ」よりも「やさしさ」を選ぶ。

(4)感情の整理ができて、上機嫌で過ごせる習慣

  • 自分を客観視することを、心理学では「メタ認知」と呼び、感情をコントロールする鍵。人生でつまずいたときは「なかなかドラマティックな展開」と楽観的に考える。家族とケンカになりそうなときは「余計な言葉はやめよう」と冷静に判断する。”もう一人の自分”で見るほど、生き方はうまくなってくる
  • 行きたくない誘いは断る。行きたくないこと、やりたくないことに「NO」と言う習慣ができると、人生が劇的にラクになる。本当は、あれこれ理由を付けず、「したくないから」という理由でじゅうぶん。
  • 相手のために「許す」というより、「ま、いっか」で自分がラクになる。「気に入らないところもあるけれど、それはそれとして、進みましょう」という意味。
  • 過去の後悔に対しては→「あれはあれでよかった」。未来の不安に対しては→「あとでなるようになる」。現在の執着に対しては→「これでいいのだ!」。「どうにもならないこと」は手放し、「どうにかなること」に注力する。
  • いいことがあったときには、誰でもご機嫌に過ごせるが、不運に見舞われたときに、その人の真価が問われる。「これで済んでよかった」と言う人は、すぐに気持ちを切り替えて、ぐんぐん前に進んでいく人。「よかったのか」「よくなかったのか」を決めているのは自分自身。
  • 最小限の意思の力で、最大限のことをしようと思ったら、最初のハードルを「今すぐできる簡単なこと」に設定すること。軽く始めて、自信とやる気を引き出す。一歩踏み出したら、半分終わったようなもの

(5)ゴールを設定して道のりを考える、段取り上手な人の習慣

  • まずは”目的”を明確にする。そして、「そのためには?」と”手段”を考える。まず目的を押さえていれば、「何が必要なこと」で「何が不必要なこと」かがわかって行動できる。余計なことに気を取られず、目的を達成しやすくなる。
  • 人に頼ることを恐れない。思い切って任せた分、自分の時間が増えて、得意なことに集中したり、余裕をもってスケジュールを組んだりできる。できないことは頼む習慣で、仕事の合理化ができて、それぞれの力を発揮できるだけでなく、信頼できる人間関係もできていく。

(6)時間の使い方を変えて、幸せな時間をつくる習慣

  • 心が後ろ向きになったときこそ、丁寧にやることにする。辛いこと、苦しいことに目が向いていたら、いつまでも気が重いまま。うれしい、楽しい、面白いといった”快感”をなんとしてでも見つけて、自分から飛び込んだら、「やらなければいけないこと」は「やりたいこと」に変わる。
  • 「時間がない」と言わない。「時間がないからできない」ではなく、「時間がないなか、どうしたらいいか?」と考えると、なんとかなるもの。「時間がないからできない」と言っている人は、時間があってもできない
  • 「できないことはしない」と決めると、大げさなようだが、自分の人生が回り始める。「自分にできること」に目を向けるようになり、自分の軸ができていく。大切なのは、できないことを手放して、「やれることをやる」という考え。そんなふうに自分の力を働かせていたら、心の中がシンプルに整理されて、自分にしかない圧倒する力になる。
  • 「何をしているときの自分が好きか」、つまり、何をしているとき、自分は気分がいいのかを基準に選ぶと、幸せを感じやすい。損得や競争、世間の評価、まわりの目などを気にして時間を使ってはもったいない。お金がなくても、孤独でも、人が何と言おうと「自分がやりたいことをやっている」と思えば幸せ。

3.教訓

「お金がない」「時間がない」というのは、自然と口から出てしまっていると感じます。全くないわけではないけれど、なんとなく使ってしまいます。そのために、自分のやりたいことに対して、自分でブレーキをかけているように思います。これを書き途中の平日は、自身がテレワーク、配偶者が仕事がオフの日だったので、近所の洋食屋さんに二人でランチに行きました。平日でもそういう時間やお金の使い方ができれば、少しは日々の生活にハリが出てくるように感じます。

また、相手の名前で呼びかけることも、大事なことだと感じます。何となく目があったら、その流れで話してしまうこともあるのですが、しっかりと名前を言うことで、意図があって話したくて話すということが伝わると思います。

そして、毎朝、布団を丁寧に三つ折りにすることを始めました。これまでは適当に畳んだり、ちょっと面倒だなと思ったらそのままにしたり、としていました。始めればわかりますが、決めたことを決めた通りに済ませると、確かに気分はすっきりします。

軽く1歩目を踏み出す。まずは簡単にできるところから始めることを意識したいと思います。