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ニューヨーク大学人気講義 HAPPINESS(ハピネス)GAFA時代の人生戦略

1.はじめに

著者のNY大学でのブランド戦略の講義をしていますが、そのうち話題が変わり、講義の最後の3時間で「幸福の計算式」と題した人生戦略についての話をしており、その内容を書籍化したものです。

今回引用は少なめにした第3講の「愛の講義」に多くページが割かれています。結婚、子育て、親の介護など、仕事とは直接関係はしないものの人生で重要なことについても触れられています。父親像の話もあり、少し男性寄りの話が多いと思います。

2.内容

第1講:幸福の講義-激変する世界で幸せになる

  • 大学時代までの自己発見の時期はまさに夢の日々。しかし20代半ばから40代半ばまでは、容赦のない現実を生きなければならない。仕事、ストレス。そして教師や母親にどれほど評価されても、自分は議員にはなれないし、自分の名前のついた香水が売り出されることもないと思い知る。
  • そして50代になると、あらゆるところに存在するすばらしい恵みを心に刻み始める。だから大人になってストレスを感じたり、不幸だとさえ思ったりすることがあったら、それは人生の一部だということを知り、ただ進み続けること。幸せがあなたを待っている。
  • 山ほどの写真を撮る、くだらないことで友人にメールする、昔の友達とまめに連絡を取る、同僚を素直にほめる、そして毎日、できるだけ多くの人に愛していることを伝える。1日にほんの数分のこと。最初のころの見返りはわずかだが、やがて大きなものになる。
  • 自分の欠点に真剣に向き合い、足りないものを補う努力をする。要するに、体だけは大人の少年ではなく、本当の大人になること。現在の男らしさとは、他人との関わりであり、よき市民であることであり、愛情深い父親であること。
  • 愛する人の人生の終わりを明るくしようとすることも、同じくらい深い満足をもたらしてくれる。もしあなたが、愛する人に穏やかな最期を与えられる立場にいるのなら、迷わずやれ。今後の人生ずっと、その経験はとても大事なものになる。

第2講:成功の講義-格差が広がる世界で金を手にする

  • あなたがやるべきことは、うまくできることを見つけて、1万時間練習をして、それを得意になること。何かに秀でることで精神的、経済的な見返りを得ると、さらに熱心に取り組むようになる。
  • 早く大人になれ。あなたはまず親に向かって「それは私に任せて」と告げることから始めなければならない。親にストレスを与える存在から、問題の解決策を示す存在になる。普段は立派な大人なのに、親の前だと不機嫌な子どもに戻り、親が問題を解決してくれると思ってしまう人間のなんと多いことか。
  • 大手企業で成功するのは容易ではない。そこでは独特のスキルが求められる。他人と仲良くして、いたるところで見られる不公正やでたらめに耐え、抜け目なく振る舞う。そして関係者の目に留まるようにして、業績を上げ、役員レベルの支援を取り付ける。しかし大企業でうまくやれるなら、リスクを考えると、そのままそこにいたほうがいい。あえて零細企業で苦労することはない。
  • あなたが本当に好調なとき、それは自分の能力のおかげではない、好況の波に乗っているだけ、と認識することが重要。こうした謙虚な姿勢でいると、収入の範囲で生活して、経済的にも心理的にも、次に配られるカードに対処する準備ができる。そして次の段階に進んだときも、事態が悪化したのは自分のせいではない、自分はそれほどのばかではないとわかっていれば、気持ちが慰められる。
  • リスクを考えると、優良企業・大企業の従業員になる方が、起業家になるよりも満足を得られる。よい従業員になるスキルを挙げてみる。
  1. 大人になれ:大人になるということは、自分だけが特別ではないと認識すること
  2. 礼儀正しくあれ:正しいことと有能なことは違う。従業員はこれら2つのバランスを取りながら、自分はチームの一員であると自覚し、互いに支えあわなければならない
  3. 確固とした自分を持て:他人の評価にびくびくしない

第3講:愛の講義-残酷な世界を生き抜く

  • 私たちの役割、種の一員としての仕事は、無条件に誰かを愛すること。それがホモサピエンスの生き残りを確実なものにする、秘密のスパイス。しして人がこの行為を確実に行い続けるよう、自然はそれに何よりも大きな満足感を付与した。誰かを無条件に愛することは、究極の幸福
  • 人間関係において自分の貢献を過大評価し、相手の力を過小評価するのは人間の性。2人であることで喜びを満足を感じるかどうかじっくり考える。パートナーに対して寛大になり、できるだけのことを、できるだけ頻繁に行う

第4講:健康の講義-無慈悲な世界で活力を保つ

  • 私たちは狩猟採集者であり、動いているときと他人に囲まれているときに最も幸せを感じる。成功の指標として最適なのは、自分で汗をかいている時間と、他人が汗をかいているのを(テレビなどで)見る時間の比率。CEOに共通する性質で一番多いのは、定期的に運動すること。
  • うつ状態のとき、人は悲しみを感じるのではない。何も感じない。愛する人と一緒にいるときや、その人たちのことを考えているときに泣くことは、健全であり喜ばしいことでもある。
  • 成功と人格は相関する。大志を抱いて成功への道を歩き始めたばかりの(自活を目指している)人は、だいたい感じがよくて、他人に期待を押し付けない。成功に手が届きそうな人々の層は、嫌なやつの基準を上回る傾向がある。光速で出世できていない不安と怒りが他人への期待、そして自分がいかに大物であるかを見せつける行動へと変わる。
  • 私たちは誰でも善意を持っているが、それが行動につながらないこともある。さらに他人への賞賛や好意を心の中にためているが、不安と恐怖というフィルターのために表に出せないことが多い。そのダムを決壊させないでいると、寿命が短くなったり楽しみが減ったりする。

3.教訓

全般を通じて率直に感じたのは、よくも悪くもアメリカの話かなというところです。

投資銀行に入社し、ベンチャー企業を創設し、大学院の教授になるということで、本書の「はじめに」でも、著者自身が”はっきり言ってしまえば、私の人生を幸福のモデルケースとして見るのは無理がある”と認めています。

モデルケースとして目指すのは難しいとしても(世の中にそんなに都合のいいモデルケースはないというのが私見です)、人生経験としては豊富な方で、部分部分では「確かに」と思うところがあり、私にとっては2.に引用したところが印象に残った、というものです。

すなわち、読み手の現在の年齢、会社での立ち位置、今後目指したい姿によって、本書のどの部分にイントが立ち、何が得られるのかが異なると思います。250ページほどありますが、あまり読み終えるのに時間はかからないので、時には本書のような内容に触れるのも一考です。