1.はじめに
帯にある「限りある人生の使い方」と同一著者です。
プロローグにおいて、以下の言葉が含まれています。
これを立ち読みしたとき、今自分に必要な本だと感じ、即購入しました。
- 「いつかすべてが思いどおりになる」という幻想を手放して、「そんな日はけっしてやってこない」という前提から話を始めたい。
- 未来への不安が消えてなくなることはないし、他人は思いどおりに動いてくれない。やることリストはつねに溢れかえっている。それが現実だ。
- 限りある人間である以上、思いどおりにならないこともあれば、不安でたまらないこともある。どんなに時間を有効活用したって、人生で取り組むべきことの量は実際に取り組める量をつねに大きく上回っている。
- 不完全主義は、この現実を前向きに受け入れる考え方だ。
本書は、4週間分、28個のテーマで構成されています。
週ごとのテーマは2.の各見出しの通りです。
以下では、今の自分に響いた内容を10個に絞って紹介します。
2.内容
(1)自分の有限性を受けとめる
- ここは理想世界ではないので、やることリストの大半はけっして実現できない。冷静になってそう理解したとき、不安は静かに引いていく。今できることをしようという新たな意欲が湧いてくる。何もかもが急にうまくいくと言っているわけじゃない。状況によっては、タスクを投げ出したせいで深刻な問題が残るかもしれない。とはいえ、やるべきこと・やりたいことをすべてやるのはそもそも不可能なのだから、それはもう避けられない。だから現実から目をそらさないほうがいい。
- うまくいくかどうかはわからない。ただひとつ確かなのは、生きることに怯えていても苦しみは消えないということ。問題は人生をうまくコントロールできないことではないし、人生から逃れる方法が見つからないことでもない。本当の問題は、限りある人間にそんなことが可能だという考え自体にあった。
- どんな選択をするにしても、結果に正面から向き合う姿勢で臨むこと。そうすれば、限りある人間に許された唯一の意味での自由を味わうことができる。人は制約から自由になることはできないが、制約の中に自由はある。トレードオフを検討し(どのみちトレードオフは避けられないのだから)、どちらがマシかを自分で選び取る自由だ。
(2)不完全に行動を起こす
- 始めたことを終わらせないまま新しいことに着手するのは、その場では気分がいいかもしれないが、実際には状況をどんどん悪くする。何かを終わらせるには多大なエネルギーが必要で、考えるだけで疲れてしまうと思っている人は多い。しかしエネルギーが足りない本当の原因は、未完了の項目がたまっていること。
- 回避行動はまったく理にかなわない。問題に向き合う以外に状況を改善する方法はない。不安から目をそらしていても、事態は悪くなる一方。大事なのは、心理的に「そこに行く」こと。見たくない気持ちを抑えて、その状況がすでに現実の一部であることを受け入れる。
(3)握った手を緩める
- 他人のネガティブな感情は、結局のところ、その人自身の問題でしかない。その人の問題は、その人がなんとかするしかない。万能の力を持たないただの人間にできる最善の選択は、干渉しないで放っておくこと。
- 「すべての出来事は、良い時間か良い思い出になる」という格言がある。物事はうまくいくかもしれないし、うまくいかないかもしれない。そしてうまくいかない場合のほうが、結果的に人生が楽しくなることもある。そんな不確実さこそが、僕らの人生を価値あるものにしているのではないだろうか。
- もちろん仕事や生活には嫌な側面があるものだし、面倒だなあと思うのは仕方ない。でも「邪魔な人や物事を遠ざけなくては」という態度で生きていると、実際に何もかもが邪魔にしか感じられなくなる。しかし客観的に見れば、世界は何かが起こり、次に何かが起こり、また別の何かが起こる、ただその繰り返し。そのうちのどれが有益で、どれが邪魔かというのは、心のフィルターによって「良い」「悪い」に振り分けた結果にすぎない。
(4)人生は今ここにある
- 心の安定をゴールにする人は、やることリストをすべて終わらせないと安心できないと考える。でも全部終わらせるのは不可能であり、頑張ってもストレスが溜まるだけ。一方、心の安定を出発点にする人は、やることリストを「選択肢の並んだメニュー」と捉える。すべてを終わらせるのは無理だと認識したうえで、どれをやるかを選ぶのだ。すると、やらなければならない義務は、好きなものを選べる自由に変わる。
- 自信たっぷりな他人を見ても自信は身につかない。「自信がないのは自分だけじゃない」と気づいたときに、本当の自身が芽生え始める。「完璧な人」の仮面をかぶらなくていいとわかってから、以前よりずっと積極的に関われるようになった。誰だって仮面の下は、きっと不安や恥ずかしさでいっぱいなのだ。
3.教訓
現在の業務においては、単に膨大な作業量に追われて時間が足りないという状況ではありません。それぞれのタスクに対して、どの方向へ進めるべきか、そして何を最終的なゴールとするのかを見極めることに多くの時間と思考を費やしています。
加えて、これまでの経験や知見が十分でない領域が多く、なかなか明確な方向性を定められず、不安や苦しさを感じる場面も少なくありません。やろうと思えばいくらでも手を動かすことはできますが、時間には限りがあり、投入した時間に対する成果や効果も慎重に考慮する必要があります。中には「できれば手をつけずに済ませたい」と感じる業務も存在します。
私はもともと、すべてに全力を注ぎ、常に100点を目指すタイプではないことを自覚しています。面倒だと感じることも多々ありますが、だからといって仕事を溜め込んでしまっても、良い結果にはつながりません。未完了のまま放置された状態を見るのは心地よくありませんし、仕事を終わらせられない自分自身にも向き合う必要があります。だからこそ、少しずつでも手を動かし、できることから着実に進めていく姿勢を大切にしたいと思っています。
本書には28のテーマがあって、すべてを完璧にこなそうとするのではなく、今の自分にとって意味のあるもの、心に響くものを見極めながら、できるところから着手していけばよいと考えています。皆さまもお気に入りのテーマが必ず1つは見つかると思います。
