1.はじめに
社員の心を穏やかにするために、掃除、特にトイレ掃除に力を入れておられました。
以下の東洋経済の引用記事にある社員のように、素手で掃除をされています。
明日から自分の会社で素手で掃除できるか、と聞かれると尻込みしかできません。
ただ、トイレがきれいだと、確かに自分の心もきれいになるような気持ちが湧きます。
以下では、自身が特に印象的だったところだけに絞って引用して紹介していきます。
2.内容
(1)凡事徹底
- いつも気づく人になる方法の1つは、微差、あるいは僅差の2つをいつも追及し続けること。もう1つの条件は、「人を喜ばす」こと。絶えず人を喜ばせる気持ちで物事をやる、人生を送る、毎日を送るということ。これを続けて1年たてば、本当に人が変わるぐらい気づく人間に変わってしまう。
- 「良樹細根」、根が広く深く張っていれば必ずいい気になるという意味だが、当然、根の方が先で、上のほうは後。根が張れば自然に上はどんどんよくなっていく。こんなわかりきったことなのに、普通は良樹のほうだけをやろうとする人が多い。けれどもそんなことは絶対に不可能。根をおろそかにして良樹になるなんてことはない。
- ほとんどの人の合理化というのは、自分にとって不都合なことを人に押し付けること。自分にとって不都合なことは他人にとっても不都合。他人にとって不都合であるということに対する思いやりがない。
(2)縁をつなぐ
- 縁というのは、ひとりでにできたり、ひとりでにつながってくるものではなく、つくろうという意思がなければつくれない。それから、つなごうつなごうという気持ちをいつも持ち続けていないとつなげないもの。
- 人との関係において、自分のやっていることがどうなのかということにたえず気づく。あるいは、この人のためにどうしたらいいかということを基本にして気づく人にならないと駄目。
- 幅がひろがっていったときにはじめて、人間の人格は上がっていく。なぜかというと、人間は義務でやらなくてもいいことがどれだけやれるかということが人格に比例している。
- 本当の誠意というのは、空気を通して相手に通じる。自分が本当に自信を持たずに言ったことは、同じ言葉であっても通じない。だから、私はまず自分のほうからきちっとするという考え方でやっている。
(3)企業の質をどう高めるか
- 有能かどうかではなく、誠実であることが大事。誠実であるというのは、具体的にいうと、心の痛みがわかるということ。小さいものをおろそかにしないということ。組織の中でいちばん困っている人に目を向けて、その人がよくなるように考える。
- 欠点を直そうとしても直ったためしがない。死ぬまで直らないのが欠点。それを直そうというのは無駄な努力をすること。だからといって、欠点を避けたり逃げたりしてはいけない。どうするかということ、受け入れる。「相手に教えない」。「相手の欠点を指摘しない」。
3.教訓
本書は最近、芸人の小島よしおさんも、日経で座右の銘として紹介していました。
特に、合理化・不都合について着目されていました。
私はというと、「人間は義務でやらなくてもいいことがどれだけやれるかということが人格に比例している」という部分が、中でも一番心に触れました。
今回は山口周さんの著書に従い、9項目に絞って転記しました。ただ、何が刺さるかは人によってそれぞれだと思います。1ページの文字数も少ないのでさらっと読むことができますので、ぜひ手に取っていただければ幸いです。
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