課長がおすすめする仕事に役立つ本100冊+

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ピーターの法則 ローレンス・J・ピーター著


 

1.はじめに

ピーターの法則とは「時が経つに従って、階層社会のすべてのポストは、その責任を全うしえない従業員によって占められるようになる傾向がある」ことです。すなわち、

  1. 新しい地位にあって有能であることは、昇進させられる可能性が残っている
  2. 結果として最後の昇進はどうしても有能から無能への昇進とならざるをえない
  3. 階層社会ではその構成員各自はいつか無能のレベルを昇進し、そこに留まる結果となる

President ONLINEにも、以下の記載があります。

president.jp

2.内容

  • 自分自身が無能レベルに達している上長者だと、既成の価値を尺度にして部下を評価する公算が大きい。彼にとって、有能とは規則とか慣習とか現状を維持する行動のこと。即応能力、几帳面さ、上長者に対しての礼節、内部的な書類処理などが高く評価される。言い換えればインプットが評価の基準となる。
  • 普通一般の無能は解雇の原因とはならず、ただ昇進にストップがかかるだけ。ところが、スーパー有能はしばしば解雇の原因となる。というのは、それは階層社会の秩序を破壊し、それによって「階層社会にあっては、秩序保全を第一義とする」という至高の戒律を侵犯するから。
  • 階層社会の従業員たちは、芯から無能をとがめだてしない(ピーターの逆説)。彼らが無能をあげつらうのは、実はたいてい「引き(従業員と上長者との懇親による関係)」のある同僚への羨望の現れに過ぎない。
  • 「引き」の力を借りずに「押し(自己アピール)」だけで「迂回作戦(どうにもならない妨害者の下から這い出して、先のふさがっていない昇進ルートに乗り換えること)」を強行しようとする者は、上長者たちから「奴は何事にも長く辛抱ができない男だ」とか「根性無しめ」とか、およそ本人の狙いとは裏腹の非難を受けるのがオチ。座っていてもよい時には決して立つな。
  • よい服従者はよい指導者にはならない。彼らは単に先例に従い、規則を守り、ただ大勢の人間の先頭に立って歩けばよい。そうした人々の場合、導くといってもそれは木彫りの船首像が船を導くのと変わらない。
  • ローソクの灯りが夕食のテーブルを照らすには十分だが、街灯の代わりに高い柱の上に上げられたら暗くて役に立たないように、人間というものは従属的な地位にあるときは才気充分であっても、高い地位に上げられると愚鈍に見える
  • 無能者は生産的になりたいというはっきりした願望を持っている。彼らは、できることなら有能でありたい。たいていの無能者は、漠然とではあれ、自分が所属する組織が崩壊すれば職を失うことを自覚しており、それゆえに階層社会を維持しようと努める。

3.教訓

本の14章には、新装版になる前の書籍の副題でもある、最終的昇進を避け、職業人として、また個人として健康と幸福を守る「創造的無能」について触れられています。

その方法は、「現在のポジションの主たる責務を遂行することを直接に妨げないように、自分は既に無能レベルに達したという印象を創作すること」です。つまり、”あの人は仕事はできるが、ちょっと抜けたところがある”ということをカモフラージュすることで、昇進を勧められないようにもっていく、というものです。

それによって、自身を何かの有用な仕事を達成することからくる個人的充足感が保証されるとされていて、一理あると感じるものの、全面的には賛意を持つことはできませんでした。

というのも、最近では単に「中間管理」をしておけばいい、というのではなく、「プレイングマネージャー」として、自身も手を動かして、現場感覚を持ちながら管理業務をする機会が増えていると思います。そのため、担当者目線・管理者目線の双方を意識すすることが求められ、軌道修正したり自分の考えを柔軟に変更したりできる機会が多くなっていると感じます。

とはいえ、組織に万能はなく、100点の答えに到達するのは困難であり、常にバランス感覚を現場で磨き続けるしかないと考えています。