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ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 キングスレイ・ウォード著


 

1.はじめに

息子が17歳の時から20年間にわたって、人生のターニングポイントにおいて書き記した手紙を、1冊の本にまとめたものです。

血のつながった親だからのこその愛情という印象ではなく、人生の経験者からの客観的なアドバイスとなっています。内容も、仕事の面が中心ではありますが、金銭感覚や結婚・友情など、日常生活面においても参考になる内容が詰まっています。

サラリーマンの立場でも納得できる内容が多いなか、同族経営をしている方にとっては、さらに深い内容となっているものと推察します。

2.内容

  • 読むことは人を豊かにし、話し合うことは人を機敏にし、書くことは人を確かにする。これらの技能の組合せは、トップを目指す人にとっては絶対確実な三種の神器である。
  • 人は失敗するたびに何かを学ぶ。中には貴重な教訓を学ぶ失敗もある。その教訓は努力しなければならないということ。勝つのは過去の競争から学んで、その教訓を生かす人である。人は成功者の今の姿だけを見がちである。彼らの長年の努力、失敗、欲求不満、そしてこれまでに遭遇し、克服してきた多くの困難は目に入らない
  • 仕事に喜びを見出すためには、3つのことが必要。①適性がなければならない。②やりすぎてはいけない、③達成感がなければならない。
  • 実業界は狭い世界。誠実さを欠く行動の報いはいずれ受けないではいられない。しかし、以前にも言ったように、他人の心配までする必要はない。自分の人格の心配をするように。
  • 金の正しくない用途で、私が最も心配するのは、人に好印象を与えようとして使うこと。
  • 2,3の成功を収めた後で祝杯をあげるなら、親しい友達と静かにするように。そうすれば、事態が逆転したときにも、失敗を少数の友人に告げるだけで済む。成功を世間に吹聴しなければ、失敗を知らせる義務もない。
  • 講演上手な人は、決して聴衆を見下げるような話し方はしない。聴衆が自分と同じ世界に生きていると感じるように気を配り、彼らの関心と知性に敬意を表する。講演がうまくいくか全然受けないかを分ける基準の答えは容易で、注ぐ努力と準備の量
  • いくつかのマナーの良さは、命令を実行する部下の気分や能率に、非常に大きな影響を及ぼす。頼めばもらえるものが、要求すれば少ししかもらえない。非難めいた言い方をすれば、もらえる量はさらに減る。よくある無作法に、人の話を遮ることがある。多くの人がそれでイメージを落としている。
  • 一つの地位を争っている2人の候補者が、職業的な資質の面で、面接者の目に同格に映った場合、天秤の針を勝利者の方に傾けるのは、マナーの良さ、服装の適切さ身だしなみの良さ、あるいは話し方に自信があって、ゆとりが見えること。
  • 他人の過ちから学べ。自分ですべての過ちを経験する時間はない。」他人の旅路や業績、問題解決のための頭の使い方を思い浮かべてみることほど、実際の経験に近いものはない。本はそれは可能にする。本は私たちの心を開いて、私たちの存在理由を考えさせ、最善を尽くすように励まし、努力を怠ることは私たちそれぞれにこの地上で与えられた時間を浪費するに等しいことを悟らせる。
  • 問題を素直に認めるとき、そのために頭を抱えていることを認めるときに、初めて本当に、やがてエリートたちの仲間入りをする。
  • 困難な仕事を与えられたとき、その仕事や自分の運の悪さに愚痴をこぼすこともできるし、「これは難しい、嫌な仕事だが、引き受けるつもりだし、引き受けるからには立派に成し遂げるつもりだ」と自分に言い聞かせることもできる。後者の姿勢を取れば、仕事がしやすくなるし、最後に達成感を味わうこともできる。
  • 責任を受け入れる人は、最も実り多い人生を過ごす人である。努力をした上で失敗するのは恥ではない。試みなかったことが悲劇。責任を受け入れることは、挑戦を受け入れること。挑戦を受け入れることは、素晴らしい成果を迎え入れるために、扉を開くこと。
  • 批判はどんな武器にも破壊力を持つので、その扱いには熟練が必要で、与えるときには最新の注意を払わなけばならない。さもないと不当に射程内に入った気の毒な人は、精神的に打ちのめされる。その反面、批判は極めて効果的な道具である。賢明な批判者が善意から巧みに与えるならば、それは与えられた人にとって、人生の途上での大きな手助けになるだろう。
  • 妥当で善意からだと思われる批判は受け入れるように。悪意のこもった、あるいは不当な批判は、撥ねつけるように。見当違いの批判をする相手を黙って許すべきではない。
  • 他人が自分の思い通りにならないからといって、腹を立てることはない。自分自身でさえ、思い通りにはならないのだから。
  • すべての問題について感触を掴み、扱いにくい面を十分に理解したうえで、どの意思決定にも君の決裁印を押さなければならない。

3.教訓

他人から学ぶ、問題を素直に認める、困難な仕事にも取り組む、責任を取る、批判を受け入れる、といった基本的なマナーが大事であると改めて気づかされます。

とにかく真摯に誠実に、礼節を持って対応するように心がけていきたいと思います。