サラリーマン課長がおすすめする、あなたの仕事に役立つ本100冊

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菜根譚 洪自誠著

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菜根譚 (岩波文庫 赤23-1) [ 今井 宇三郎 ]
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1.はじめに

解説にも記載されているように、書名の由来は宋の汪信民の語にある「人よく菜根を咬みえば、即ち百事なすべし」とこから来ており、”菜根は堅くて筋が多いので、これをよく咬みうるのは、ものの真の味を味わいうる人物である。”を意味しています。

世に立ち人との道を説く「前集」と、山林自然の趣きと退隠閑居の楽しみを説く「後集」の2部構成になっています。

以下では、現役世代向けに、人間関係や処世術についての記述が中心の「前集」の内容を中心に採り上げていきます。

2.内容

随筆調となっているので、テーマがあちこちに飛んだり、似たような内容が後で繰り返されていると感じるところもあります。

人それぞれ、感銘を受ける場所も違うし、テーマでくくろうとした場合に、その整理の仕方も千差万別だと思います。

以下では、登場順に印象に残った部分を引用します。

  • 真理を守り抜く者は往々にして一時的に不遇で寂しい境遇に陥ることがある。一方、権勢におもねりへつらう者は一時的に栄達するが、結局は永遠に寂しくいたましい。
  • 処世の経験がまだ浅いと、世俗の悪習に染まることもまた浅いが、経験が深くなるにつれて世の中のからくりに通じることも深くなる。それ故に君子たる者は、世事に練達になるよりは、むしろ飾り気がなく気が利かない方がよい。
  • 権謀術数の類を全く知らない者は高尚な人である。しかしそれを知っていても、自分では用いない者こそ、最も高尚な人物である。
  • 人から受ける恩恵は控えめにして、他人より先に取ろうとしてはならない。しかし人のためになる得業は進んで行い、他人に遅れをとってはならない。また、人から受け取る物は分相応を越えてはならない。しかし自分のなすべき行為は分相応を減らすことなく、より以上に努力しなければならない。
  • 他人の悪を責めて善に向かわせようとするとき、あまり厳しすぎてはならない。その人がそれを受け入れられるかどうかの程度を考える必要がある。また、人を教えて善をさせようとするとき、あまり高すぎてはならない。その人がそれを実行することができるかどうかを考える必要がある。
  • 世渡りでは、必ずしも功名を立てなくともよい。大過なく過ごせれば、それがすなわち功名だ。人と交わるときは、わが恩恵に感謝することを求めてはならない。怨まれなかったら、それがすなわち恩恵だ。
  • 人が自分に対して恩恵を与えてくれたなら、その恩返しを忘れてはならない。しかし人に対する怨みなら、心に留めておかずに、きれいさっぱりと忘れ去ってしまわねばならない。
  • 苦しんだり楽しんだりして、修業を重ね練磨して作り出した幸福であってこそ、その幸福は永続する。また、疑ったり信じたりして、苦心を重ね考え抜いた知識であってこそ、その知識は本物になる。
  • きたない土には多くの作物ができ、澄みすぎる水には魚は住みつかない。そこで君子たるものは、世俗の恥やよごれを受け入れる度量を持つべきであり、潔癖過ぎてはいけない。
  • 暇な時でもただぼんやりと過ごさぬようにすれば、多忙な折にそれが役に立つ。落ち着いている時でも、心をゆるめないようにすれば、活動期にそれが役立つ。人に見られない所でも、人を欺き悪事を隠すことをしないようにすれば、公の人前でそれが役に立つ。
  • 身を捨てて献身的になったらためらってはならない。せっかく身を捨てた初志を辱しめることが多くなる。また、恩を施したら決してその報いを求めてはならない。せっかく恩を施した初心を無駄にする。
  • 逆境にあるときは、身の回りのすべてのことが鍼や薬で、それで節操を研ぎ行いを磨いているのであるが、本人はそれを知らずにいる。順境にあるときは、目の前のすべてのことが刃や戈で、それで肉を溶かし骨を削っているのであるが、本人はそれを知らずにいる。
  • たとえ大勢の人が疑いを持つからといって、自分が正しいと信ずる意見をやめてはならない。さりとて、自分の意見だけを信じて、人の正しい発言を採り上げないようではならない。世論の力を借り人を決めつけて、腹いせをするようなことがあってはならない。
  • 人格が才能の主人で、才能は人格の召使である。才能だけがあって人格の劣った者は、家に主人がいなくて、召使が勝手気ままにふるまうようなものである。
  • 人格は事業の基礎である。基礎が堅固でなくて、その家屋が長持ちする試しはない。心は子孫の根になるものである。根がしっかりと植えられていないえ、その枝葉が茂る試しはない。
  • 人から受けた恩は、深くても報いようとせぬくせに、受けた恨みはどんなに浅くても必ず仕返しをする。また、人から聞いた他人の悪い評判は、たとえはっきりしていなくても信じるくせに、良い評判はどんなにはっきりしていても信じようとしない。真に冷酷極まることで、深く自分を戒めておくのがよい。
  • うれしまぎれに、軽はずみな承諾を与えてはならない。酒の酔いにまかせて、腹を立て怒ってはならない。調子に乗って、余計なことまで手を広げすぎてはならない。飽きて嫌になったからといって、後始末をいい加減にしてはならない。

3.教訓

入社して3年未満、管理職になりたて、部長職にある人等、それぞれの立場や境遇によって、また同じ人でも読む時期によって、心に残る箇所は異なると思います。

自分でも、読み返すたびに線を引く箇所が変わりますが、そんな中、以下の5点については常に意識を持ち続けたいと考えています。

  1. 能力向上だけでに焦点を合わせず人徳を積む意識を持つ
  2. 清濁あわせ呑む度量を持つ
  3. 苦しい時期があってこそ将来花開く
  4. 人の見ていないところでも努力を怠らない
  5. 受けた恩は忘れない

参考:東洋経済オンライン

toyokeizai.net