1.はじめに
前々からタイトルは気になっていて、いつか読もうと考えていた本です。
少し時間を取れるようになったので、ようやく読むことができました。
一部の天才だけが可能な理想論として掲げるのでなく、現実的な話題が中心なので、頭の中に入ってきやすい内容でした。
以下では、特に気になった部分だけを引用していきます。
2.内容
(1)思考編
- たくさんのアプリを同時に開いていたら、負荷がかかり過ぎてダウンしてしまったり、処理速度が低下してしまったりする。この状態だと、やらなきゃいけないことを進めるだけの余裕がない。特に集中して取り組まないといけないようなことの場合は、それだけの余裕=スペースを脳内に生み出す必要がある。
- 頭をよぎったら書き出す。頭に置いておかない。感じたことや考えていることをどんどん書き出すことで、自分の頭の中を客観視することができるので、もやもやとしたものを整理することができる。
- 考えることの重要性をわかっているからこそ、まずはアクションを起こすということ。本当に考えるために、行動しなければならない。もちろん決断し、行動を起こすことには様々なリスクが伴う。だからこそ、考えるための行動を起こす。
- つまずきや失敗をしたら改善すればいい。うまく改善することができれば、同じようなことでつまずき、悩んでいる人を助けることができるかもしれない。必ずその失敗があって良かったと思える日が来る。
- 過去の栄光にすがってしまうのは、今の自分がそれ以上のものでないから。つまり、現状に満足できていない証。しかし、遠くばかりを見ていると、足元の小石につまずいてしまう。未来を描き、未来を語ることがあっても、今この瞬間にどれだけ意識を向けられるか、目の前のリアルと向き合うことができるかが重要。
(2)自分を動かす編
- 「すぐやる人」は、意志力に頼らず誘惑そのものを遠ざける方がよほど楽。誘惑に勝つこと自体がエネルギーを無駄に消費してしまう。そのためには、モノを持たないこと、関係のないモノは徹底して処分してしまうこと。
- 計画を立てることで、なぜ計画通りに進まなかったのかを分析することができる。「やらなきゃいけないことがあるのに、ついつい誘いに乗ってしまった」ということを客観的に把握することで、別の時間にそれを埋め合わせする意識が高まって、状況に流されてしまう可能性は低くなる。
- 「すぐやる人」は、外野とはそもそも否定的なものだと知っていて、その抵抗をエネルギーに変えることができる。だから、批判を歓迎する。批判を必要不可欠な要素だと捉えている。それは、「すぐやる人」は批判の本質を理解しているから。
(3)周囲を動かす
- 「やれない人」は正論を振りかざしたがる。自分の言っていることは正しいのだから、周りが柔軟に対応しろということ。正論は正しいことなのかもしれないが、人間は感情の生き物であることを忘れてはいけない。
- 人を喜ばせる人たちに共通することは、人の話に真剣に耳を傾けるということ。それを狙ってやっているのではなく、話をしっかりと聞くことが相手を尊重することであり、喜ばせる方法だから。
- ライバルと良い関係を築き、お互いがお互いの心に火をつけ合うことが私たちに良い行動を促す。ライバルと友好な関係を築く方がモチベーションに良い影響を与え、パフォーマンスの質が向上する。ライバルを応援することで、自分をもっと高めることができる。
- 「すぐやる人」は人から素直に学ぶ。年齢や国籍などは関係ない。好奇心が旺盛なので、素直に「教えてください」と言うことができる。伸びる人はアドバイスしたら、すぐに試す。とにかく素直にやってみる。アドバイスした側からすると、アドバイスを素直に実行する人は助けたくなる。うまくいかなかったのであれば、どこで詰まったのかを一緒に考え、次こそはうまくいけばいい。
(4)感情マネジメント
- 感情は押さえ込もうとするえばするほど勢いを増す。感情をコントロールする最適な方法は、感情を悪とせず受け入れること。素直に自分の気持ちや感情を誰かに伝えること。感情はため込まず、吐き出す習慣を身につける。
- 「やれない人」は「実績がないから自身が持てない」と考え、現状維持に甘んじてしまう。一方で、「すぐやる人」は「自身さえ持っていれば、実績は後からついてくる」と考える。もっと言うと、「自信がないから、やらない、やれない」のではなく、「やるから自信がつく」。
- 「でも」を「だから」に変えてみる。「やれない人」はやらない理由を探すのが得意なので、無意識のうちに「でも」を探してしまう回路が出来上がってしまっている。すると、前向きになれる場面でも、「でも」を探してしまう。
(5)時間・目標管理
- 目標だけを追いかけるよりも、目的も明確にしておけば、さらに大きな行動の軸を獲得することができるし、目標を目標で終わらせないためにも不可欠。目的を「状態」、目標を「行動」という切り口で考える。未来像は「どういう自分でああるか」なので状態の"be"、それを達成するために「何をすべきか」なので"do"。鮮明に"be"をイメージしてみる。
- 多すぎる選択肢は人を疲れさせる。人から集中力とエネルギーを奪っていく大きな原因となっている。「すぐやる人」は、タスクを書き出し、頭の中から取り出したら、タスクへの優先順位付けを徹底する。自分にとっての重要度、緊急度、必要時間でマッピングしていく。
- スマホなど視野に入らないようにする。やはり、目に止まると「あ、そう言えば」と、どうしても気にしてしまう。精神的な力ではなく、物理的に隔離するということが効果的。
- 「すぐやる人」は、やらない基準をはっきりとさせることで、他人に対してもきっぱりとNOと言う。自分の人生をコントロールしている感覚を維持するためには、精神の自由が不可欠。それを可能とするのが断る力。
(6)行動
- 「やれない人」はマネをすることに抵抗を感じる。0を1に変えることは1を10にすることよりも難しいという。何事もスタートはパワーと勇気を必要とする。だからこそ、とにかくうまくいっている人のマネをしてみる。
- 誰と学ぶかによって、その環境が行動の基準として働く。ダラダラしたなれ合いの関係の中に身を置いていては「やれない人」になってしまう。行動力の高い人たちの輪の中に入ることは大きなモチベーションを生む。
- アウトプットしようとすると頭の中を整理しなければいけなくなる。アウトプットしようとするだけで、小さな疑問点とも向き合わないといけなくなるので、学びや知識の質も向上する。アウトプットを意識するからインプットの質が高まる。
3.教訓
特に印象に残ったのは以下の2点です。
- 「すぐやる人」は人から素直に学ぶ
- 鮮明に"be"をイメージする
自分より年次が若くても役職が低くても、その道に詳しい人がいます。余計なプライドが邪魔にをして、自分が知らないと相手に認知されることが許容できず、人に教えてもらうことができない人もいます。
また、理想の状態を維持することまで考えないと、一度目標に到達しても元の状態にリバウンドして、当初の目標を見失ってしまうこともあります。
ここに記載したことは、目新しさがある話ではありません。普遍的なことでも、なかなか実践するのは難しいということの証左だと思います。
あまり背伸びをせず、足元でできるところから1つずつ対応していくことを、これまで以上に意識したいと感じることができる良書でした。
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