管理職おすすめの仕事に役立つ本100冊+

現役課長が身銭を切る価値のあるのおすすめ本だけを紹介するページ(社会人向け)

夢をかなえるゾウ1 水野敬也 著

1.はじめに

本書は200万部も売れているそうで、「タイトルを耳にしたことがある」、「ゾウの画は見たことがある」、という人もかなり多いかと思います。

私もいつかは読もう読もうと思っていまして、そのいつかがついにやってきて、実際に買って読むという行動に移しました。(内容のネタ振りにつながります)

2.内容

  • 「きっかけさえあれば」いつもそう思っている。まだそのきっかけが僕には来ていないだけだと言い聞かせてきた。でも、本当は「きっかけ」なんてたくさん転がっていて、恥ずかしい思いをしたり嫌な思いをした時がそれだったのかもしれないけど、そのきっかけを今までずっと素通りしてきた。それが「きっかけ」であることを決めるのは、今この瞬間の自分
  • 成功しないための一番重要な要素は、「人の言うことを聞かない」。成功するような自分に変わりたいと思っていて、でも今までずっと変われなかったということは、「自分の考え方にしがみついてる」ということ。
  • ビジネスの得意な人は、人の欲を満たすのが得意な人。人にはどんな欲があって、何を望んでいるか、そのことを見抜ける人、世の中の人たちが何を求めているかがわかる人は、事業を始めてもうまくいく。上司の欲がわかっている人はそれだけ早く出世する。
  • 人がやりたがらないことをやるからこそ、それが一番喜ばれる。一番人に頼みたいことだから、そこに価値が生まれる。好きなことをすることと同じくらい大事なのは、人がやりたがらないことでも率先してやること。
  • 会社が終わったら自由だから遊んでいいというわけではない。むしろ逆。会社が終わった後の自由な時間は、自分がこれから成功していくために「自由に使える一番大切な時間」。仕事が終わったらまっすぐに帰宅して、大事なことに使う。
  • 自分がこうすると決めたことを実行し続けるためには、そうせざるを得ないような環境を作らないといけない。ただ決めるだけか、具体的な行動に移すか。それによって生まれる結果は全く違ってくる。それが「変わる」ということ。
  • 世界は秩序正しい法則によって動いている。成功も失敗もその法則に従って生まれている。だからその法則に合わせて自分を変えていかないといけない。その法則と自分のズレを矯正することが、成功するための方法であり、成長と呼べる
  • とりあえず何でもいいから、ただでもらったりしてみる。それを意識していたら自分のコミュニケーションは変わる。言い方とか仕草一つとっても気を遣うようになる。人から助けてもらう人たちには、そうされるだけの理由がある
  • 一流の人間はどんな状況でも常に結果を出すから一流。常に結果を出すには、普通に考えられているよりずっと綿密な準備がいる
  • 仕事でも周りの人間関係でも、一番大事な人をしっかりと認識し、その人たちからまず喜ばせたり、感謝をするようにする。
  • 人は、自分の自尊心を満たしてくれる人のところに集まる。逆を言えば、人の自尊心を満たせて、人から応援されて押し上げられるような人が成功していく。
  • ただ表面上持ち上げるだけでは「おべっか」になってしまう。やはり相手をよく見て、相手をよく知り、素晴らしいと思える部分について正直に言う。それが「ほめる」ということ
  • 真似するのはお客さまを喜ばせるため。人を喜ばせるという目的に照準が合っていると、人の真似をすることに恥ずかしさを感じない。早く成長して、早く技術を覚えて、もっと多くの人を喜ばせたいという思いが何より大事。
  • 成功したいと心から思っている人は、何でもやってみる。少しでも可能性があることだったら何でも実行してみる。つまり「バカバカしい」「意味がない」とか言ってやらずじまいな人たちは、結局そこまでして成功したくないということ。「やらない」という行動を通して、成功したくない自分を表現している
  • お金は、人を喜ばせることでもらうもの。人を喜ばせることが何より楽しいと思えるように自分自身を変化させていく。また、自分が好きなこと、楽しいと思えることで人を喜ばせるようにする。それが成功したりお金持ちになるための、回り道のように見えるけど一番の近道。
  • もし自分が変われるとしたら、行動して経験した時だけ。今、自分は何かを学んで、知識を吸収して成長していると思っているかもしれないけど、本当は成長した気になっているだけ。人間が変われるのは、立って何かをした時だけ。
  • やりたいことを見つけるための方法は1つだけ、体感すること。実際にやってみて、全身で感じる。それ以外の方法で「やりたいこと」なんて見つからない。
  • 今まで無理だったら、これからも無理。変えるならそれは「今」。「今」何か一歩を踏み出さないと、それをやらないまま死んでいく。
  • すべての仕事は何かしら他人の成功をサポートしていると呼べるということ。他人の成功をサポートすることが楽しいと思えるようになったら、何をやってもうまくいく。
  • 生き方なんて自分で選ぶもの。自分が幸せだと感じることができればそれでいい。誰も努力なんて強制していない。そもそもやらないといけないことなんて存在しない。
  • 「成長する」という言葉を聞くと、肩ひじ張ってつい力んでしまうけど、本当はもっと手軽で簡単で楽しみながらやるもの。

3.教訓

たとえば、本書の課題の1つに「プレゼントをして驚かせる」というものがあります。

その場面で、「お客さまの予想をいい意味で裏切る」という話が展開されていて、主人公の考えについて以下の描写が出てきます。

たとえばトラブルがあったときに店員の対応が思った以上に親切だったりすると、そのお店に急に愛着を感じることがある。

先日、私にも似たようなことが起こりました。

私は昼食後、会社の近所のセブンイレブンで、ほぼ毎日「ホットコーヒーのレギュラーサイズ」を頼みます。

ご存じの方も多いと思いますが、機械にカップをセットし、出来上がり後にフタを閉めるのはセルフサービスで、そのフタを閉めるのがちょっと難しいのです。

以下はたまたま見つけた、同じはてなブロガーの方の記事です。

small-things.hatenablog.com

私も、一度、閉めるときにカップを倒してしまい、床にコーヒーをぶちまけてしまったことがあります。

私はその時に、「コーヒーをこぼしてしまったので床を拭くもの下さい」と言って自分で掃除しようと思ったのですが、店員の方から言われたことは、以下の3つでした。

・大丈夫ですか?服とかに飛んでいませんか?

・代わりのカップを用意しますので、注文内容を教えてください。

・後でこちらで掃除をしておきます。

それが、平日のランチタイムのど真ん中で、店員さんも忙しい時間帯なのです。にもかかわらず、汚れの心配をしてくれただけでなく、代わりのカップまで用意してくれたのです。申し訳なさげにカップを受け取り、前回以上に慎重にフタを閉めているときに、掃除にやってきました。笑顔を絶やさず、掃除をしていただきました。

こういうとき、本当に温かい気持ちになるものです。

 

そして、本書を通じて一貫していることは、「考えるだけでなく実際に行動する」ことの重要性です。

基本的に自己啓発の本には、だいたい似たようなことが書かれていると感じます。本書も大きくはそういうジャンルに含まれています。それでも、また似たような本が次から次に発売され、一部はベストセラーになっていきます。

本書でも、「読んで期待しているだけでは、現実を変える力は持てない。」と書かれています。本を読んだとしても、「いい話だとは頭の中ではわかるけど、ここまでは自分はできないな」と思ってしまい、「また違う本を読めば自分に合うことが書かれているかも」と思ってしまう人がどれだけ多いか、ということかと思います。

次はこうしよう、と頭で考えるだけでなく、読んだことを早速実践してみようと行動に移すことが大事であり、ちょうど最近読んだ、「ハーバードの人生を変える授業」でも「行動に移さないと価値を生み出せない」という趣旨のことが書かれています。

bookreviews.hatenadiary.com

2022年の年末に読んで、自分の1年の行動を振り返るには、ちょうど良い内容でした。来年こそは、年度が変わったら、と何かきっかけを探している人におすすめできる良書です。それが「今」だとわかります。