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コーチングの神様が教える「できる人」の法則 マーシャル・ゴールドスミス著


 

 

1.はじめに

著者は、2年に一度発表される経営思想家のランキングである「Thinkers50」で2018年に殿堂入りしています。

同じ年に殿堂入りしたのが、ピーター.F.ドラッカー、マイケル.E.ポーターと書けば、どれくらいすごいことかご理解いただけるのではないかと思います。

thinkers50.com

原題は"What Got You Here Won't Get You There"であり、直訳風にいうと「あなたをここまで連れてきたものは、そこには連れて行かないだろう」、意図としては「これまででのやり方だと、よりよい場所にはたどりつけない」、すなわち、自分の「現在地」と「目的地」の距離をはかり、どうすれば到達できるかを考える必要があります。

日本語の表題には「コーチング」とありますが、これを読めば相手をコーチングができるようになるというよりも、自分自身をよりよい方向に変えるきっかけとなる良書だと思います。

2.内容

(1)セクション1:成功で厄介なこと

  • 「何もしなかった人」に実行しなかったのはなぜかと尋ねると、「そのつもりでしたが時間がなくて」という答えが一番多い。彼らは変わりたくないわけでも、変わることの価値を認めないわけでもない。ただ一日があっという間に終わってしまうのだ。彼らの「あとでやるつもり」は永遠にやってこない。過度に仕事を引き受けてしまうのは、変える必要がないと信じること、実は欠点なのにそれがあったからこそ成功したと信じるくらい深刻な障害となりうる。
  • その行動は結果を出すことにプラスに働いているか?あるいはそれは何年ものあいだ、あなたの人生を支配していた論理性に欠ける迷信でないか?前者は「そのおかげ」となり、後者は「それにもかかわらず」になる。迷信の罠から抜け出すには、注意を怠らないことだ。この行動は私を成功に導く論理的なものか、あるいは単に自分を正当化しているだけだろうか、と絶えず自問してほしい。
  • 自分の行動を変えるということも含めて、人が何かをするのは、自分の価値尺度からみて、自分の得になると考えるときだけだ。自分のプライドを押し殺して自分の過ちを認めるのも同じこと。ふつう、こうするのは非常に難しいが、それで問題が片付き、それが次のステップに進むための唯一の方法であれば、人はそうする。

(2)セクション2:あなたをトップの座から遠ざける20の悪癖

  • 「もっといい人になる」目標を達成するにはもっと簡単な方法がある。やるべきことはただ1つ、「いやなヤツであることをやめる」ことだ。
  • いい人になることと、いやなヤツであることをやめる、二者択一するとしたら、どちらが簡単か?前者のためには、多くのポジティブな行動を一斉に行う必要があるが、後者は単に省略するだけで済む。
①極度の負けず嫌い
  • 負けず嫌いをけなすつもりはない。必死になる価値のないことのために勝とうとする場合には問題になると指摘しているに過ぎない。
  • 極度の負けず嫌いは、いちばんの問題だ。というのも、この癖がほとんどすべてのほかの問題の下地になっているからだ。
②何かひとこと価値を付け加えようとする
  • あなたのアドバイスによって、アイデアは5%ほど改善されたかもしれないが、問題は意欲を50%削いでしまった点だ。あなたはお株を奪ってしまった。あなたのコメントでもう提案者のアイデアではなくなってしまったのだ。あなたから立ち去るときに、来たときの情熱はもうない。
  • イデアをよくすることで得られるものよりも、部下がその考えに対してやる気を失うことの影響のほうが何倍も大きい。組織の上に行けばいくほど、他の人を勝者にすべきであり、自分自身が勝者になる必要はなくなる
③善し悪しの判断をくだす
  • 役に立つコメントをしてくれたときには、判断を加えてはならない。言ってくれたことをどう思おうと、それは自分の胸にしまっておいて、相手の話を最後まで聞き、「ありがとう」と言おう。
  • 常時このように接していれば、人はやがてあなたを歓迎すべき人物だ、アイデアがあればいつでもドアをノックできる相手、気楽にアイデアを投げても投げ出されることのない相手だと見るようになる。
④人を傷つける破壊的コメントをする
  • フィードバックの中で「人を傷つけるコメントを回避する」という項目は、自分が見る自分と他人が見る自分との相関関係が最も低い事柄の2つに1つだ。つまり、私たちは人を傷つけるコメントをしていると思わないが、人はそう考えないということだ。
  • それを職場の人にとって問題となるくらいやってしまうのは、15%しかいない。人を傷つけるコメントを、真実なのだからという口実のもとに言ってしまう。コメントが真実かどうかはどうでもいい。「それは真実か」が問題ではなく、「それは言う価値があるのか」が問題なのだ。
⑤「いや(No)」「しかし(But)」「でも(However)」で文章を始める
  • 文章を「いや」「しかし」「でも」あるいはそれに類した言葉で始めると、たとえどんなに親しげな口調であっても、相手の感情を配慮しているところを見せて気の利いたフレーズを使い、表現を和らげようとしても、相手に対するメッセージは、「あなたは間違っている」になってしまう
⑥自分がいかに賢いかを話す
  • 賢さは人を魅了する。その一方で、いかに賢いかを自分で言ったとたん、人はうんざりする
  • この行動をやめるのはそう難しいことではない。a.口を開く前に「これから言おうとすることは言うだけの価値があるか」を自問自答する。b.その価値はないと結論し、c.「ありがとう」と言う。
⑦腹を立てているときに話す
  • 心のなかは荒れ狂っているかもしれない。だが、口にしなければ誰も怒っているとは知らない
  • 怒りに身を任せて何かを話そうとしたら、鏡を見るように。いつだって、あなたの怒りの根源は「そちら」にあるのではなく、「こちら」にあることに気づくだろう。
⑧否定、もしくは「うまくいくわけないよ。その理由はね」と言う
  • もし否定的な態度があなたの悪い癖であるなら、誰かが役に立つ提案をしてくれたときに、自分が何を言うか注意してみるようにと、まず提案しよう。何を言うかに注意を払えば、何が人を遠ざけてしまうかが実によくわかる。もし、しばしば、「うまくいくわけないよ。その理由はね」と言っている自分に気づいたら、何を直せばよいかわかるだろう。
⑨情報を教えない
  • 他人に知らせたくないわけではない。単に忙しすぎるだけだ。悪気はない。よい意図は持っている。だが、そうできないでいる。その結果、情報を共有するのが下手になってしまう。
  • 情報を出すのが苦手だからといって、故意に情報を出し惜しんでいるわけではない。この2つは同じではない。だが、周りの人から見れば、その結果は全く同じだ。
⑩きちんと他人を認めない
  • 業績をあげることとリーダーであることには大きな違いがある。焦点を自分から他人に移したときに初めて、成功した人は偉大なリーダーとなる
  • 私たちは職場で、家庭で、他人に対してさまざまな失礼なことをしてしまう。だが、認めて褒めてあげることをしないことには、もっとも心に深く傷を残す。
⑪他人の手柄を横取りする
  • 1日の自画自賛の事例をリスト化し、一つひとつ見ていきながら質問を考えるように。もし、それに関与した人がリストを見たときに、あなたが自分の手柄と思っているのを、その通りだと思うだろうか。あるいは、誰か他の人が、ひょっとしたら彼ら自身が称賛を受けるべきだと思うだろうか。
⑫言い訳をする
  • 自分で「自分にはできない」と言い聞かせている。そう言い続けているあいだは、それが真実になる。どんなふうに育てられて信じこまされていたとしても、私たちは生まれてときからそうだったわけではない。
  • 会社で誰かが責任を逃れようとして「私は○○がうまくないので」と言ったら、彼らに「なぜできないんだい?」と尋ねていよう。自分自身に言い訳するのをやめれば、何だってやろうと思えばうまくできるようになるものだ。
⑬過去にしがみつく
  • 過去は変えられない、書き換えられない、言い訳もきかない。できることは過去を受け入れて前進することだけ
  • だが、理由は知らないが、過去を思い返すことを楽しむ人がいる。過去を振り返って、人生でいまくいかないことは何でも誰かのせいにできるのであれば、特にそうだ。こうなると、過去にしがみつくことは対人関係の問題となる。過去を武器にして人と接するのだ。
⑭えこひいきする
  • 気を付けないと、私たちは職場で飼い犬に接するように人に接してしまう。私たちに対して、ためらうことなく無条件に称賛を降り注いでくれる人を重用するようになってしまう。
  • リーダーがこの行動をやめるには、まず、私たちはみな、そのつもりはなくても、好意を示してくれる人に好意を持つ傾向があることを認めること。
⑮すまなかったという気持ちを表さない
  • 負けること、自分が間違っていると認めること、コントロールを引き渡すなどを恐れるあまり、私たちは謝罪に抵抗する。しかし皮肉なことに、そして当然のことだが、謝罪することによって、そんな心配は実際には不要になる。「ごめんなさい」と言うことで、人々はあなたの味方、パートナーに変わる
⑯人の話を聞かない
  • 人の話を聞かないことは、山ほどのネガティブなメッセージを送っているに等しい。(あなたはのことは気にかけていない、理解できない、あなたは間違っている、私の時間を無駄にしている等)
  • 誰かの話を聞いているときに、頭の中であるいは実際に、指先でトントンと机を叩いている自分に気づいたら、指を動かすのをやめなさい。誰かの話を聞いているときに、イライラしている様子を表に出すのはやめなさい。「次!」と言う(あるいは考える)のをやめなさい。その行為は単に失礼で不愉快なだけでなく、部下に会社を辞めようと確実に思わせてしまうものだ。
⑰感謝の気持ちを表さない
  • 提案されたアイデアについて考えようがどうしようが関係ない。重要なのは「ありがとう」と言うこと。そうすれば、みんながあなたに話そうという気持ちを持ち続ける。「ありがとう」と言わなければ、人は貝のように心を閉ざしてしまう。
⑱八つ当たりする
  • 次回誰かがアドバイスをするか、重要なことで「あなたのために」何か注意してくれたら、八つ当たりをしてはならない。一言も言わないこと。何を言おうか考えないこと。「ありがとう」という言葉以外には。
⑲責任回避する
  • 皮肉なことに、完全無欠などもちろん絵空事でしかない。常に正しくあれ、とは誰も期待しない。だが、失敗したときに、それを潔く認めることは、誰もが期待する
  • ある意味では、失敗はチャンスだ。自分がどういう人間で、どういうリーダーかを見せるチャンスだ。過ちを潔く認めるほうが、成功に浮かれ騒ぐよりもずっと大きな印象を与える。
⑳「私はこうなんだ」と言いすぎる
  • 過剰に「自分らしくある」ことを止めれば、自分自身をまやかしだと見ることはなくなる。自分自身のことを考えるのをやめて、他の人のプラスになるような行動を取ることができるようになるだろう。
  • 誤った、あるいは無意味な「私らしさ」にしがみついて、変わることに抵抗しているなと気づいたら、「あなたらしさはあなたのことではない、他の人があなたをどう考えるかなのだ」と思い出してほしい。

<21番目の癖:目標に執着しすぎる>

  • 目標達成に捉われるあまり、判断力は狂わされてしまう。
  • 仕事をよく考え、自分が望む人生と照らしあわせて、「私は何をしているのだろう?」「なぜこれはしているのだろう?」と考えることがいよいよ重要となる。

(3)セクション3:どうすればもっとよくなれるのか

①フィードバック
  • フィードバックは私たちに「現在地」を教えてくれる。私たちは今どこにいて、どこに行く必要があるのか、そして進歩の度合いを測るために、私たちはみんなフィードバックを必要とする。
  • 誰かにフィードバックを求めておきながら、すぐさま自分の意見を言うのは、まさに論争を始めるとの他ならない。何を言おうと、いかに優しくほのめかすように言おうとも、それは自己弁護になるのでやめよう。アドバイスの一つひとつをプレゼントや誉め言葉のように扱い、ただ「ありがとう」と言おう。
  • ジョハリの窓 - Wikipediaの簡単な教えとして、以下の重要な2つの教訓を与えてくれる

  1. 自分の問題を他人の中に見る方が、自分の中に見つけるよりもずっとやさしい。
  2. 自分自身で問題を否定したとしても、他人にとっては火を見るよりも明らかだ。
  • もし私たちが立ち止まって、人の話を聞き、他の人が自分の何を見ているかを考えることができれば、すばらしいチャンスだ。こうありたいという自分の姿と、外に向かって自分が見せている姿とを比較できる。そうすれば、口で言う価値観と実際の自分の行動のギャップを埋めるために必要な変化を起こしはじめることができる。
  • フィードバックは必ずしも人に尋ねること、人が進んで話してくれることに限らない。最高のフィードバックが観察から得られることはよくある話だ。それを受け入れて、変えようと努力すれば、誰かがずけずけと言ってくれるのと同じくらい効果がある。
  • 現実の社会では、彼らが強みだと自慢することが、彼らの実にひどい弱みであることがよくある。私たちは誰しもこの現象から免れることはできない。厳しく自己評価してみると、実は「弱み」である可能性が大いにある。
  • 他人が卑下したら要注意。口では何を言おうと、彼らは逆のことを信じている。同じことが自分自身についても言える。自分が卑下することを言ったと思ったら注意しよう。それは自分自身へのフィードバックに他ならない。
  • 誰もが変わることはできる。だが、変わりたいと思わなければ変わらない。あなたの行動が職場の人や顧客からどう見られているのか本当に知りたいのであれば、鏡をのぞき込んで自分の姿に自惚れるのをやめなさい。
②謝罪する
  • 謝罪なくしては、過ちを犯してきたことを認めることにならず、外に向かって変わろうとしていることを宣言できないし、とりわけ重要なことだが、あなたとあなたが大切に思う人々の間に感情的な契約を取り交わすことができない。
  • もっとも説得力があるのは、謝罪がとても簡単にできる、という点だ。あなたがすべきことは、「申し訳ありません。次回からは改めるように努力します。」と言うだけだ。あなたが勝手に思い込んでいるプライドすら傷つくことはない。そして、あなたの人生を変える。魔法のように。
  • 謝罪の言葉を口にしたら、何も言わない。説明しない、複雑にしない、限定しない。何を言っても効果を薄めるリスクた伴うだけだ。
③公表する 宣伝する
  • 固定観念の影響により、どんなに一生懸命に努力しても、改善したと見てもらうのは不可能に近い。だが、あなたが変わろうとしていると話すと、これが劇的に変わる。ものすごく努力していますと何週間も繰り返し繰り返し話せば、さらに変わる。
④聞くこと
  • 他人から学べるかどうかは、いかに上手に聞くかで8割が決まる。上手な聞き手は、聴くことはとても活動的なプロセスだと考える。聞き上手になるには以下の3つのポイントがある。
  1. 話す前に考える:話すことで、私たちがどのような聞き手であるかがわかる。何を言うかで、どの程度よく聞いていたかがわかる
  2. 敬意をもって聞く:耳を開けているだけでは十分ではない。体全体で聞いている、というところを見せなければならない。その場にはあなたしか存在しないかのように聞く。
  3. 「言う価値があるか」と自問する:自問することで、議論を超えて、a.相手はあなたのことをどう考えるか、b.相手はその後何をするか、c.あなたが次に話すときに相手はどう行動するか、を考えざるをえなくなる。
  • 「言う価値があるか?」と自問せずに反応してしまうと、他人はあなたが話を聞いていないと思うだけでない。a.彼らは傷つく、b.傷つけ苦しみを与えた相手に悪い感情を抱く、c.次回から発言しなくなる。あなたの情報を減らすことになる
  • 利己的に「それは私にとってどんなプラスになるのか?」を考えるところから一歩進んで、「相手にとってどんなプラスになるのか」を考えることだ。その結果、考え方に意義深い飛躍が起きる。突如、あなたはもっと大きな観点からものを見ることができるようになる。
  • あなたが輝こうと思う気持ちを抑えれば抑えるほど、相手の目にあなたが輝いて見える
⑤「ありがとう」と言う
  • 誰かがあなたに親切なことをしてくれたら、相手は謝意を期待する。感謝しなければ、あなたの評価は下がる。相手が「ありがとう」と言い忘れたら、あなたはどう感じるだろうか。いいやつだと思うか、それとも感謝の念を持たないひどいやつだと思うか?
⑥フォローアップ
  • 職場の人にコメントを求めながら、それを無視するかフォローアップしないリーダーは、もっとよいリーダーになろうという気持ちがあまりないのだと受け止められる。
  • よりよいリーダー(あるいはよりよい人)になることはプロセスであり、一過性のイベントではない。研修で学んだことを実践してはじめてよくなる。そして、「実践する」という言葉のなかには、フォローアップも含まれている。
フィードフォワードを練習する
  • フィードバックは過去に何が起きたのか、組織で何が起きているのかを探るのに実に役立つツールだが、将来のためのアイデアを提供してくれるとは限らない。一方、フィードフォワードは将来実践できるアイデアという形で現われる。未来完了形だ。
  • 私は、あなたがよくなるために何を変えるべきか決めない。あなたが決めることもない。彼らがする。彼らとは誰か?あなたのまわりのすべての人だ。あなたのことを知っていて、心にかけ、あなたのことを思い、口やかましく言ってきた人たちだ。彼らは、聞くことに関する専門家ではないかもしれないが、彼らはあなたがどう聞くかあるいは聞かないかについては世界の誰よりも知っている
  • 人が「正しい」形になるように手助けをするのは、彼らが「間違っている」と証明するよりもはるかに生産的だ。だからフィードフォワードはうまくいく。フィードバックでは誤りや欠点を話すことが多いが、フィードフォワードでは、問題ではなく解決策に焦点を当てる
  • 人は助けるのが好きなものだ。だが、頼まれもしないのに手を差し伸べるのは失礼だとかでしゃばりだと思って、彼らは差し控えている。自分から尋ねることで、この問題は解決する。

(4)セクション4:「自分を変える」ときの注意すべきポイント

①「自分を変える」ときのルール
  • 正しく目標設定しようと思えば、始める前に、現実的に考えてどのくらいの努力が必要か、何を成果として得られるのかを直視しなくてはならない。「簡単に治せる」「容易な解決方法」は、「長続きする」「意義のある解決策」とはならないことを認識する必要がある。目標を達成し永続的効果を得るためには、多くの時間、勤勉、個人的犠牲、継続的努力が必要であり、何年も続くプロセスに没頭しなければならない。
  • すべてにトップという人は誰もいない。だからといって並でいいと言っているわけではない。現実を見ているだけだ。何か一つに力を注ぐのなら、別のことは諦めざるをえない。すべてを改善しようとするのではなく、いずれか一つ選べばいいだけだ。
  • あなたが何かを変えたいと思うのなら、始めるのに最適のときは今だ。自分の胸に手を当てて考えてほしい。「私は今何を変えたいと思っているだろうか」。そして、実行に移せばいい。それだけで充分。とりあえず今は。
②部下の扱い方
  • 彼らに、彼ら自身で何をすべきか考えさせなさい。彼らのほうから、あなたを必要としない分野はここです、と言わせなさい。上司と直接話していい場合とそうでない場合とのあいだには明確な一線がある。それに気づかせるのはボスとしてのあなたの仕事だ。
  • 会社が機能しないもっともひどい理由は何か。それは理解することと実行することとのあいだにはものすごいギャップがあることにマネジャーが気づかない点だ。リーダーシップ研修は、人は理解すれば実行に移すという一つの大きな誤った仮定のもとに行われる。それは真実ではない。私たちはみんな、理解していても単にやらないことがある。
  • 賢いマネジャーは、一定の分野で部下よりもよく知っているという自身過剰の偏見を捨てなければならない。さもなければ部下の能力は下がり情熱は薄らぎ、やがてはボスの立場を悪くさせていく。
  • ボスとして、あなたは変化を望まない人を変えようとする努力するのをやめるべきだ。
  1. 自分自身に問題がないと思っている人を変えようとするのはやめよう
  2. そもそもその職につくべきではない人を変えようとするのはやめよう
  3. 自分以外のみんなが問題だと考えるような人を変えようとするのはやめよう

3.教訓

定期的に20の悪癖を読み直し、自分を振り返ることだけでも、とても意味のあることだと思います。

実際、そのうちのいくつかは、今の自分に当てはまります。

特に、過ちを認めたり感謝の言葉を伝えたりというのは、本心ではそう思っていてもなかなか口から出てこないものです。

そして、最後の「変化を望まない人」も印象に残っています。周りにもそう感じる人がいます。自分自身がそちら側にならないように意識することも大切だと考えています。