管理職おすすめの仕事に役立つ本100冊×2

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転身力 「新しい自分」の見つけ方、育て方 楠木新 著

1.はじめに

この本は、私がキャリアコンサルタント試験に挑戦していた頃、勉強会でアドバイザーとして参加されていた先輩から紹介されました。現在は、その先輩とともに受験者の支援活動にも携わっています。
その方は実際に転職を成功させており、ご自身のキャリアを前向きに切り拓かれています。私自身の転職予定の有無はさておき、人生の転機ともいえる「中年の危機」の真っただ中にいるなか、副題にある“新しい自分”に出会いたいという思いから、この本を手に取りました。

2.内容

(1)なぜ転身力なのか

  • 転身者の言葉を最大公約数的に言えば、以下の3つ。多くの会社員が働く意味に悩むこの状態を「こころの定年」と名付けてみた。
  1. 誰の役に立っているのか分からない
  2. 成長している実感が得られない
  3. このまま時間が流れていっていいのだろうか?

(2)転身の3条件 行動、語り、大義名分

  • 転身の条件を整理すると、以下の3つ
  1. 実行、行動できる(フィードバック,FBを受ける)
  2. 自分を語ることができる(自分自身を客観視する)
  3. 大義名分を持つ(主体的である)
  • まずは自分で行動してみて、そこで感じた疑問や課題や失敗を宿題と受け取り、それを解決しようとすること以上に有効な策はない。そうして1歩前に出れば自分が見ている景色は確実に変わる。また、自分が行動したことに対してFBがあると、次の動機が生まれる。逆に言うと、FBのないことは続けられない。同時に人との出会いも行動するする姿勢から生まれていることが多い。

(3)プロセスが大切

  • 会社員は、自分が属する組織との関係で大切なものを諦めるタイミングが必ずやってくる。会社の破綻やリストラ、左遷による場合もあれば、役職定年、定年退職、病気や思いもよらぬ事故に遭遇するケースもある。いずれにせよ、この諦める、捨てる作業がないとなかなか新しい道が見えない。後ろのドアを閉めなければ前のドアは開かない感覚。

(4)顧客を見極める

  • 中高年以降になると、既存のシステムをそのまま取り入れるのか、それともそれ自体の意味を問い、疑いを持つのか、両社のどちらかに分離していく傾向がある。既存のシステムやモノサシの是非について深く考える人や疑問を抱く人は、組織の中ではエリートにはなりえない。
  • 「会社の仕事をないがしろにしない」「直接の上司や同僚といい関係を築く」の2つを押さえておけば、それほど副業の問題はややこしくならない。会社の副業に対する姿勢を気にしすぎたり、周囲の動きを確認しているだけでは何も進まない。自分がシナリオを描き、自ら動く必要がある。副業において社員は評論家ではなく、当事者であるからだ。

(5)師匠を探せ

  • 会社員の場合では、専門的な知識やスキルを持つことが転身する際のポイントだと勘違いしている人が少なくない。もちろん専門知識を高めることは大切だが、それよりも周囲の人から「彼だったら協力しよう」という気持ちを持ってもらえることが大切
  • 転身するための最も早くて確実な方法は、転身先への歩みを実践している人と一緒に時間を過ごすこと。異なる職業に転身した人、会社員とフリーランスを両立している人など、「自分もこの人みたいになりたい」と思える人に近づくことで新たなステップへのヒントを見つける。

(6)人間万事塞翁が馬

  • 誰もが日の当たる場所だけを歩み通すことはできない。人生において何度か不運に泣き、挫折を味わうこともあるだろう。そこでそれをどのように受け止めるかがポイント。自己の可能性に目が向くかどうかだという意味で、病気は転身力のリトマス試験紙と考えていいだろう。
  • 「なんでこんなことになるのか」「これさえなかったら」という「こんなこと」や「これ」の中に、新しい自分を見つけるヒントが隠されていることが多い。マイナスと思える事柄の裏には、プラスの部分が背中合わせになっているからだ。そしてこのマイナスと言える挫折を克服した人は、次のステップを着実に歩むことができる。

3.教訓

本書を読むと、もやもやしているのは自分だけじゃなく、むしろ多数派で健全なのではないかとすら思えてきます。「こころの定年」というネーミングが、とても自身の胸に深く響きました。

50代を目前に控え、健康リスクの高まりや若手の台頭による立場の揺らぎなど、現実的な変化にも向き合う必要があります。これまで培ってきた経験が活かせる場があるとは思うものの、それだけにしがみついているわけにはいかず、自分自身も柔軟に変わっていかなくてはならない――そんな感覚も芽生えています。
副業にも関心があり、関連書籍を読みながら思考を深めています。ただ、会社の副業に対するスタンスを気にしすぎてしまっている自分がいることも否めません。

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すぐに答えが出るような悩みではないですが、いま真剣に自分と向き合い、葛藤することが、いつか自分の力になると信じて、少しずつ前進していきたいと思っています。