管理職おすすめの仕事に役立つ本100冊×2

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その幸運は偶然ではないんです! 夢の仕事をつかむ心の練習問題 J.D.クランボルツ、A.S.レヴィン著

1.はじめに

キャリアコンサルタントの勉強では、必ずクランボルツ先生の「計画的偶発性理論(プランドハプンスタンス理論)」を学びます。

天職に巡り合った人たちの多くは実は予想外の展開で迎えていたこと、ただそれは単なる偶然ではなく一定程度自分の行動で引き寄せた結果でもある、というような理論です。

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「ジョンのケース」として、クランボルツ先生ご本人の経験談も登場します。

以下では、特に印象に残った部分を書き抜いて紹介していきます。

2.内容

(1)想定外の出来事を最大限に活用する

  • この本を通して私たちがあなたに伝えたいのは、結果がわからないときでも、行動を起こして新しいチャンスを切り開くこと、偶然の出来事を活用すること、選択肢を常にオープンにしておくこと、そして人生に起きることを最大限に活用すること。私たちは、決して計画を立てることを否定するわけではありません。ただ、うまくいっていない計画に固執するべきではないと考えているのです。
  • 想定外の出来事を最大限活用するために、次のことを覚えておいてください。
  1. 想定外の失望を利用する
  2. 場所や職業を変えることに対してオープンマインドでいる。
  3. あなたが出会う興味深い人々と、自分の興味や経験を共有する。
  4. フラストレーションをチャンスに変える
  5. 偶然の出来事は、さらなる偶然の出来事につながることを理解する。

(2)選択肢はいつでもオープンに

  • 自分の将来を今決めるよりも、積極的にチャンスを模索しながら、オープンマインドでいるほうがずっとよいのです。ひとつの職業にこだわりすぎると視野が狭くなってしまいます
  • ある調査の結果、18歳のときに考えていた職業に就いているという人は、全体の約2%にしかすぎないことがわかりました。”将来の職業を決める”という目標は無駄だと思うようになりました。誰にとってもキャリアの目標とは何千もの予期せぬ出来事の影響を受けるものです。
  • 自分が教育を受けている分野が好きでない場合には?ほかのことをやればよいのです。嫌いな仕事を続けるのはばかげています。あなたには未来があります。なぜ、何年も前に決めたことでの残りの人生を苦しみ続けなくてはいけないのでしょうか。変わる方法を学べばよいのです。

(3)目を覚ませ!夢が現実になる前に

  • もし夢が計画通りに実現しなかったとしても、がっかりしないでください。良くも悪くもあなたの人生には予測不可能なことのほうが多いのです。「夢は消えてしまった」と考えるのではなく、「状況が変わった。さらに自分にとってよいチャンスを探すにはどうしたらいいだろう」と考えましょう
  • 自分が望んでいると思っていたものを手に入れるよりも、すでに自分が持っているものに気づき、実はそれこそが本当は自分が望んでいたものだったということに気づくことが幸せなときもある。
  • よくない選択をしてしまったと気づいたときに、それでもそのまま続けなくてはならないと思い込むことは危険です。難しい仕事をやり続けることが最善の行動であることもありますが、仕事そのものが嫌な場合には、変化を起こそうと考えることは理にかなったことです。

(4)結果が見えなくてもやってみる

  • 新しいことを始めるときにはリスクがあります。「もし、失敗したら? もしやってみて嫌いになったら?」。たしかに、失敗すればお金と時間と労力がムダになるかもしれません。しかし、リスクを取ってたとえ失敗したとしても、そこから得られるものは大きいのです。また、やってみるまでは自分が本当にそれが好きかどうかはわかりません。失敗を恐れて何もしなければ、あなたの人生にはどんな幸運も訪れてはくれません
  • 励ましを与えたり受け取ったりするにはいくつかの方法があります
  1. あなたを助ける立場にある人々の目にとまるようなやり方で仕事をやる。
  2. 自分の恐れや希望、夢について他の人に話す。
  3. 他の人の希望や恐れに耳を傾け、必要とされるときにはー場合によっては頼まれなくてもー積極的に支援することで、他者の人生に対する興味や関心を示す。
  • 新しい冒険や新しい活動を始めるときに、明確な目標を持っていなければならないというのはよく言われる迷信です。実際には、新しい活動に取り組みながら目標を作ったり、変えたりすることができます。やってみるまでは、自分が本当にそれを好きかどうかはわかりません。新しい活動は、必ずしもあなたが望むものだけを与えてくれるとは限りません。

(5)どんどん間違えよう

  • 何か新しいことを学ぶということは、必ず間違えるということでもあります。ですから、すべてにおいて完璧であることを期待する必要はありません。間違えるかもしれないという恐怖から何もしないことよりも、間違いから学ぶことこそ成功につながると考えてほしいのです。
  • 次のリストは、ダン・マイヤーが選手の士気を高めるために使っているものです
  1. あなたは覚えていないかもしれないが、何度も失敗してきた。
  2. 初めて歩こうとした日、あなたは転んだ。
  3. 始めて泳ごうとしたとき、あなたは溺れそうになった。
  4. 伝えたいのは、失敗を心配するな、ということ。
  5. それよりも、挑戦すらしないで逃すチャンスのことを心配しよう
  • コインが実際の意思決定を行うのではありません。コインを投げても、決めるのはあなた自身です。コインにその責任を委ねることで、一時的にでも、あなたは責任から解放されて、自分の心の奥底に耳を傾けることができるのです。そうしてから、コインに従うかどうかを決めればよいのです。
  • 完璧主義者である必要はありません。誰もが失敗します。私たちは、あなたにわざと間違えろと言っているわけではありませんが、逃げ出してほしくないのです。もし、失敗が人生の中の当たり前な部分であり、そこから学ぶことができるということを理解できれば、ワクワクするような新しい経験があなたを待っているでしょう。まずは行動してみることが大切なのです。

(6)行動を起こして自分の運をつくりだす

  • 願う以外にあなたがすること、それが重要な部分です。完璧ではないにしても、納得のいく仕事を見つけるチャンスを増やすために行動を起こすことで、自分の運をつくり出すことができるのです。みんなが同じように24時間与えられていて、それをどのように使うかを決めるのは私たち1人1人の義務です。

(7)まず仕事に就いてそれからスキルを学ぶ

  • あなたはどこにいても学ぶことができるのです。行くところすべて、出会う人すべて、読んだり聞いたり経験したりすることのすべては、あなたの学びに寄与します。ワークショップやセミナーなど、学びのために集まっているグループに参加することがどれだけ楽しいことか、驚くことでしょう。
  • 会社が求人広告を出すとき、彼らは応募者に臨むスキルをいくつもリストアップします。これは、雇う側が希望する者のリストです。しかし、あなたがリストされているすべてのスキルを持っていないからといって、応募しない理由にはなりません。会社は、基本的には”仕事に貢献してくれる人”を探しているのです。
  • 最初から仕事のやり方を完璧に知っている必要はないのです。彼らはあなたに学んでほしいと思っています。よりよい方法で仕事ができるようにあなたに教えたいとも思っています。あなたが提供しなくてはならないのは、学ぶ意欲です。

(8)内なる壁を克服する

  • 雇用主は、学校に通った年数に対して給料を払うのではありません。彼らは、あなたが今彼らのためにできることに対して報酬を払うのです。彼らは、あなたが過去に他の人々に対して価値あるサービスを提供したという証拠を探すでしょう。それがあなたが今何か価値のあることをできるかどうかを教えてくれるからです。
  • ベストを尽くすことによって、あなたの選択肢は広がります。しかし、必ずしもその選択肢を選択しなくてもよいのです。全力を尽くしてみないことには、自分自身について知ることもできません。ここに潜む不安は、自分が知りたくないことを知ることになるかもしれない、ということです。

3.教訓

本書の帯には「もうキャリアプランはいらない」とありますが、本書でもプランを立てるな、不要だ、とまでは言っておらず、立てたプランに固執しなくていい、嫌なら変えればいい、という話をしていると理解しています。

確かに、高校1年生のときには自身が卒業した大学と学部学科を受験するとは思っていませんでしたし、大学入学時には今の会社に入社するとは考えてもいませんでした。というか、大学入学時に、現在勤めている会社の存在すら知りませんでした。

そして、入社後も、たどってきたキャリアのような仕事をするとは想像していませんでした。志望動機として語っていた”やりたい業務”について、ほぼゼロといったくらいの状況です。

それでも、当初の希望通りにならなかったからといって、すべてが楽しくない、やりがいを感じないということもありませんでした。中には、こういう世界もあるのかと、やってみて初めてわかる感覚もありました。逆に言うと、希望に近い業務のすべてが楽しかったわけでもありませんでした。

それでもいいと思います。すべてが思い通りに行くわけでもなく、思いと違ってもそれはそれでいい、誰もがうらやむ出世街道だけが人生ではありません。負け惜しみでもなんでもありません。思いも寄らぬキャリアの変化が起こるのが社会人と思って、これからも学びを続けていくつもりです。