1.はじめに
原題は、"The Culture Map"です。すなわち、「文化の地図」です。
実際に、”地図”が数多く登場します。
どんな地図かというと、主には地図Aのように、1つの評価項目について直線上のどのあたりの位置になるかを説明してマッピングしたものです。中には、地図Bのように、2軸に分けてマッピングしたものもあります。

以上のように、主として国同士の違いについて論じられています。
しかしながら、同じ国、例えば日本においても、会社が違えば企業文化は違いますし、同じ会社内でも事業や部署ごとに異なる文化を持っています。
また、育った地域文化や家庭環境が違えば、異なるものの見方・考え方があります。夫婦では全く常識が違いますし、そこで生まれ育つ兄弟姉妹でも(実際にうちの2人の子どもも)、性格は似ても似つかないものになります。
以下ではもう少し細かく内容に触れていきます。
2.内容
本書では、以下の8項目についての、国同士の違いがマッピングされています。
- コミュニケーションがローコンテクストか、ハイコンテクストか
- ネガティブフィードバックを直接的に表現するか、間接的に表現するか
- 原理を優先するか、応用を優先するか
- 平等主義的か、階層主義的か
- 合意志向か、トップダウン式か
- 信頼はタスクベースか、関係ベースか
- 議論は対立型か、対立回避型か
- 時間感覚が直線的か、柔軟か
もちろん日本も登場します。そして日本は、各指標において、極端な位置にいることが多いところに関心を持ちます。
本書については、具体的な事例紹介も多く、要約も引用も難しいと考えているため、興味を持った方はぜひ手に取って、読んでいただければと思います。
ここでは、最後の「エピローグ」から、いくつか印象的な部分を紹介します。
- 自分たちの文化の世界の見方は、あまりにも当然で一般的なため、別の文化には別の見方があると想像するのが難しい。他とは違う自分たち独自の文化を認識することで、オープンな議論や学びや、最終的な理解へといたることができる。
- 大切なのは価値観や働き方の違いについて考え、話し始めること。金魚が水の中にいることを意識していないように、人間も相手と比較しない限り自分の文化を認識するのは難しい。
- 謙虚さを持ち、偏見無く議論を行うようにしてください。自分の文化を笑い飛ばし、相手の文化をポジティブな言葉で表せば表すほど、誰もが自分の考えや意見を防衛的にならずに語ることができるはずです。
- 仕事に与える文化の影響をチームが自覚すればするほど、文化の差を越えて効率的に働けるようになります。
- 人はみんな違う。同じコミュニティで、同じ両親のもとに育てられ、同じ環境で働いたとしても、まったく同じ人間はひとりとして存在しない。私たちはそれぞれ独自のスタイルや好み、関心、嫌いなもの、そして価値観を持っている。だから誰と働いていようが、どこの人間と働いていようが、あなたは相手にしかない特別なものを理解しようという気持ちでどんな関係も始めるべきだ。彼らの文化的背景から、相手の思考や行動の特徴を決めつけてはならない。
3.教訓
自分が「普通」「当たり前」「常識」と思っているものの見方・考え方は、案外自分以外には当てはまりません。
これまで国や企業について触れてきましたが、日本においても(日本に限らないかもしれません)、世代間ギャップや教育格差・地域差分は明確に存在し、ある程度は平均値で語ることができるかもしれませんが、実際には個々人によって大きく異なります。
そしてこれは文化に限らず、自分自身の相対比較についても言えると感じています。
私自身に転職経験がないので、他の企業の雰囲気や仕事の進め方は全くわかりません。それゆえ、自分自身の市場価値がわかりません。
先日、一緒にキャリアコンサルタントを取得した友人と1日かけてこのあたりのことを話す機会がありました。自身では得意と思っていることが転職したとして活かすことができるのか正直自信はありません。逆に、自分ではこれくらい普通でしょと思っていることが他者から見たら強みになったりすることもあるようです。
友人からは「当たり前」を捨てて、自分のできていることと向き合う時間、受容・自己一致する時間が必要、とアドバイスを受け、その通りだと思います。そうはいうものの簡単に答えが出る問題ではないので、他者からのフィードバックを受けながら、自分自身についての理解をこれからも深めていきたいと思います。
