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金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント ロバート・キヨサキ著

 

1.はじめに

金持ち父さんの本は、金持ち父さん貧乏父さん、金持ち父さんの投資ガイド入門編に続き、これで3冊目です。

単に、資産運用の本という枠を超えて、仕事上での心構えや生きていくうえでの考え方にも勉強になると思っています。

たとえば、まえがきにある以下の内容は、まさにその通りだと感じる一言です。

優等生が優等生である理由は、単に”間違いの数が最も少ない”からだ。分析麻痺という感情的な障害が問題なのは、実社会で行動を起こすのが、一番多く間違いを犯し、人生という名のゲームに勝つためにそこから何かを学んでいく人たちだから

2.内容

(1)クワドラントの右側か左側か

  • キーワードは「収入をどこから生み出すか」だ。職業やどんな仕事をしているかは関係ない。問題はどうやって収入を生み出すかだ。
  • クワドラントによってどんなふうに人間が異なるか特徴を挙げてみる。
  1. E(employee/従業員):仕事を探すときも、安定としっかりとした約束を第一に考える。彼らにとっては、安定していることの方がお金よりも大事な場合がよくある。Eには会社の社長もビルの管理人も含まれる。問題なのは仕事の内容ではなく、雇い主か個人であれ組織であれ、両社が契約に基づいた雇用関係にあること。
  2. S(self-employed/自営業者):このグループは仕事をする際に一番大事なのはお金ではない。誰にも依存しない独立した状態でいること、自分の好きな方法でやる自由を確保できていること、その分野の専門家として尊敬されていること。お金よりそういったことの方が大事だ。結局、彼らは一人でせっせと働きなんでも自分でやり続ける。
  3. B(business owner/ビジネスオーナー)マクドナルドのハンバーガーよりもおいしいハンバーガーを作れる人はいくらでもいる。だが、何億個ものハンバーガーを世界中に提供できるシステムを持っているのはマクドナルドだけ。Bタイプは仕事ではなくシステムを持っている。
  4. I(investor/投資家):投資家はお金でお金を作り出す。お金が自分の代わりに働いてくれるので、自分で働く必要はない。
  • あなたを金持ちにするのは「あなたの仕事」だ。この仕事はあなたが給料を受け取った瞬間に始まる。お金の管理がうまくできない人は、世界中のお金が手に入ったとしても救われない。
  • 金持ちと貧乏な人の唯一の違いは、暇な時間に何をするかだ。仕事を終えたあと、自分が稼いだ給料とあまった時間を使って、何をするかであなたの未来は決まる。クワドラントの左側(E&S)でせっせと働く人は、いつまでもせっせと働き続けることになる。一方、右側(B&I)で一生懸命働く人は、経済的な自由を見つけるチャンスをつかむ。
  • 金持ち父さんは、たいていの人がお金に苦労する理由は、親から子への伝えられた情報に従ってお金を運用しているせいだと確信していた。お金に関する間違ったアドバイスは、言葉ではなく行動を通して伝えられる。子供は言葉よりも実際の例を見て学ぶ。
  • アドバイスする人の能力は、それを受ける人の能力以上にはならない。自身の頭がよくなければ、アドバイスする人もそれ以上のことは教えられない。自分にファイナンシャル・リテラシーがなければ、それを既に持っていると思える人の言葉を信じるしかない。こうしてたくさんの人が、自分の考えではなく他人の意見に基づいてお金を運用している。これこそ危険だ。
  • 資産はあなたのポケットにお金を入れてくれる。負債はあなたのポケットからお金をとっていく
  • 金持ち父さんにとっては、借金やリスクを背負って投資するときはいつも、買ったその日から採算が取れるものでなければならなかった。金持ち父さんは見かけだけの節税対策や、勘だけが頼りの値上がり予測をもとに投資をすることは決してなかった。経済の動向が上向きになろうが下向きになろうがきちんとお金を生むこと。それが取引の条件だった。

(2)最高のあなたを引き出す

  • Eはシステムのために働く。Sは本人がシステムとなって働く。Bはシステムを作り出し、所有し、管理する。Iはシステムにお金を投資する
  • たとえ金持ちと同じことをやっても、考え方や信じていることが中流以下の人間と同じならば、何をやっても中流以下の人間が持っているものしか手に入らない。そのことに気が付いたとき、BE(なる)ーDO(する)ーHAVE(持つ)の意味がはっきりとわかる。
  • クワドラントの左側から右側に移るために大切なのは、「する」ことではなくて「なる」ことだ。その人が何をしているかによって右が左かが決まるわけではない。それより、どう考えているかが大事だ。つまり、本質的なところで「どんな人間か」が問題なのだ。
  • クワドラントの右側に属する人たちの場合は、お金を失うことに対する恐怖が別の考えを生む。つまり、「賢くやろう。リスクをコントロールする方法を学ぼうと考える。恐怖という感情は同じでも、そこから生まれる考えは人によって異なる。人間が異なれば考えが異なり、それが異なる行動につながり、異なる結果を生む
  • クワドラントの左側から右側に移動するには大人になる必要がある。誰もがお金に関して大人にならなければならない。親でも子供でもなく、大人としてお金を見る必要がある。大人になるというのは、何をしなければいけないか知っていて、たとえそれがやりたくなくてもやることを意味する

(3)クワドラントの右側で成功するために

  • 真の学習には頭脳的、感情的、身体的な学習が必ず伴うということ。どんな場合でも行動しないでいるより行動した方がいいのはそのためだ。行動して何か間違いを犯したとしても、少なくとも何かを学べる
  • いつも「正しい」答えを探してばかりいる人は、「分析麻痺」と呼ばれる病気にかかっていることが多い。間違いを犯すのが怖くて行動に移れない人は、頭脳的にはすぐれているかもしれないが、感情的、身体的に問題を抱えていると言ってもいい。
  • 「きみの負債はほかの誰かの資産だ」。住宅ローンや教育ローン、クレジットカードの支払い、こういった負債を背負い込むたびに、あなたはお金を貸してくれている相手のために働く従業員になっているのと同じだ。つまり、他人を金持ちにするために、あなたはせっせと働く。
  • ビジネスや投資そのものは危険ではない。無知であることが危険なのだ。同じように、間違った情報を与えられるのも危険だし、安定した仕事による保証をあてにすることはもっと危険だ。資産を買うことは危険なことではない。「これは資産だ」という他人の言葉を信じて負債を買うことが危険なのだ。
  • 誘惑、強欲、お金に関する無知が諸悪の根源だと思っていた。つまり、お金そのものが悪だとは思っていなかった。そうではなく、お金の奴隷となって一生働き続けることや、借金の奴隷となってしまうことこそが悪だと信じていた。
  • 答えが全部わかっていないからというそれだけの理由で、新しいことを決して始めようとしない人は多い。全部の答えなどいつまでたっても出るわけがない。それでも、ともかく始めてみることだ。

3.教訓

まず、日本の税制はアメリカと違うところがあります。

また、「まず最初にビジネスを立ち上げる方法を学んでほしい」「特許使用料・印税といった不労所得を増やす努力をするように」と言われても、すぐに「ああそうですか」と簡単には行かず、本に書かれた通りのことを今日から実行するのは正直難しい面もあり、それができるなら苦労はしない、と感じることもありました。

しかしながら、目指すべき方向性、持つべき考え方についてはとても共感でき、全く同じことができなくても、「間違っているかもしれないが行動する、不労所得を増やす、お金の奴隷にはならない」といったことは、一部取り組んできましたが、さらに上を目指していきたいと思います。

冒頭にも書いた通り、単なるお金儲けの本というだけでなく、いち社会人の行動にも活かせる内容で、読む価値は大きいと思います。

(逆に手っ取り早くお金を増やしたいという人には向きません)