1.はじめに
最近、「50代」と名の付く本に目が留まります。
これも”カラーバス効果”でしょうか。あまり年齢を重ねることを好意的に受け入れられていない自分がいるのかもしれません。
先日も以下の本を読み、本書も続けて読みました。
以下は完全に仕事寄り、本書は家族やプライベートを含めた、もう少し幅の広い内容です。(どちらがいい、悪い、というものはありません)
45の題目に分けて、越智さんご本人の体験談を中心に話が展開していきます。
以下では、個人的に強く印象に残った部分を引用して紹介していきます。
読み手によって、どこに着目するかは変わるものと思います。
2.内容
(1)50代は、「働く」を再定義しよう
- 勝負強さとは、緊張しないことではない。緊張している自分を認め、それでも「まぁなんとかなる」と開き直る力のこと。満点を狙って自ら窒息するのではなく、6割の力でしぶとく、かつ軽やかに勝ちを拾いにいく。
- 行動経済学の研究では、不機嫌な人とは「協力したくなくなる」ことが示されている。人が離れれば、仕事も情報も自然と減る。ネガティブな感情は、表情や態度を通じて周囲に伝染しやすい。職場や家庭の空気が重くなり、生産性も関係性も悪化する。
- 上機嫌でいることは、無理に明るく振る舞うことでも、ポジティブ思考を押し付けることでもない。「今日はこのくらいでいい」「まあ、そんな日もある」「自分の機嫌は自分で取ろう」、そんな小さな選択の積み重ねが、気が付けば運・人・お金の流れを引き寄せていく。
- 50代は、足し算で自分を大きく見せる時期ではない。余計なものを削ぎ落とし、本当に大切な2割に全力を注ぐ。この「引き算」の勇気を持つ人だけが、人生の後半戦で一生モノの成果を手にできる。
- 50代は残された時間の使い方を、真剣に選び直せる時期。何をやめて、何を残すか。自分の本音を知らないまま選択を重ねると、どうしても人生に「ズレ」が生じ、それがイライラや不安となって表れる。しかし、心の底にある「本当の願い」がわかっていれば、もう迷うことはない。
(2)50代は、「人間関係」に一線を引こう
- 「あいつ、最近、付き合いが悪くなったな」、そう陰口を叩かれるようになったら、あなたが人生を自分の手に取り戻した瞬間。「損切り」してでも「上機嫌」を優先する。
- 今すぐシャットアウトすべき5つのタイプ。「いい気分」を守るために、「いい人」を卒業する。
- 善意を「燃料」にする人
- 「不機嫌」を武器にする人
- 「正論」で殴ってくる人
- 陰口が「主食」の人
- 依存の「プロ」
- 「認められたい」と肩をいからせているうちは、誰からも「認められない」という事実。本当に実力があり、周囲から信頼されている人は、わざわざ自分にライトを当てる必要がない。むしろ、相手にライトを譲り、誰かを輝かせるゆとりがある。50代は、もう「自分はデキる」と証明し続けなくてもいい年代。「自分を見て欲しい」から「相手をよく見てみよう」へ。
- 話の「オチ」が見えてしまうから、つい先に答えを言いたくなってしまう。しかし、そこで「知っている自分」を誇示しても誰も幸せにならない。相手から「話す喜び」をひったくる、最悪の泥棒。知っている話でも、まずはマイクを相手に預けっぱなしにする。相手は「自分の話を大切に聞いてもらえた」と上機嫌になり、そのおかげで黙っているだけで「いい情報」や「幸運な誘い」が手に入る。
(3)50代は、「いい気分」をキープしよう
- 家族は会社組織と違って、成果や目標を達成するためのプロジェクトではない。KPIも改善報告もいらない。「失敗しても、本人の経験」「遠回りしても、その人の人生」。課題を切り離し、「見張る」のをやめる。
- しんどい時は、1人で抱え込まず、周囲にお願いする。「自分のやり方」に固執せず、少しだけ手放す。「助けて」と言う自分を、情けないと思わない。50代は1人で戦うステージから卒業する年代。自分の限界を認め、誰かに「委ねる」ことができた時、肩の力が抜け、人生は驚くほど軽やかに、いい気分で回り始める。
- 50代は、もう強がらなくてもいい年代。自分の非を認め、軽やかに謝る。その余裕こそが、若手を含めた周囲から「この人は信頼できる」と思われる。言い訳よりも「ごめんなさい」で、気分良くいこう。
- 感情的になりやすい人には、はっきりとした共通点がある。「普通はこうする」「○○すべき」という自分の中の正解を強く握りしめていること。不機嫌な50代は、どんなに実績があっても幼く見えてしまう。感情をまき散らす人から、人は静かに、しかし確実に距離を取っていく。
(4)50代は、「余白の時間」を楽しもう
- 「ずっとやりたかったことを、やりなさい」の著者は、週に2時間、自分1人で自分を楽しませる「アーティスト・デート」を提唱している。「本当は、こういうものが好きだった」「これをやっている時の自分、案外悪くないな」、そんな感覚を取り戻すことは、自分を慈しみ、人生のハンドルを自分の手を握り直すことでもある。
- 50代は、隠していた「育ち」や「本性」が、隠しきれずに露呈する年代。では、50代から「品がいい」と言われる人は、何を大事にしているのか。
- 「食べ方」に細心の注意を払う
- 誰に対しても「敬語」で接する
- 「焦り」を丁寧な言葉で包む
- 「先っぽ」を徹底的に磨く
- 持ち物を「引き算」して身軽に動く
- 「自分の話」を半分に減らす
3.教訓
「はじめに」で書いたとおり、今の自分はまだ50代を前向きに受け止めきれていないのだと思います。とはいえ、その現実に背を向けて不機嫌さをまき散らしたところで、何ひとつ良いことはない――本書を読みながら、そのことを深く理解しました。
- 自分の限界を認める
- 自分の非を認める
- 完璧でない状態を認める
- 相手を認める
相手から「認められたい」という気持ちに振り回され、変なプライドで動くのではなく、自分を主語にして「認める」ことができるようになりたい。そんな意識を持つことが、これからの自分にとって大切なのだと感じています。
人生100年時代とはいえ、社会とつながりながら生きていける時間は、すでに折り返し地点を過ぎています。その残りの時間を、せっかくなら気分よく、穏やかに過ごしたい。そのために、まずは自分自身との向き合い方を、少しずつでも優しいものにしていきたいと思います。
