管理職おすすめの仕事に役立つ本100冊×2

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50歳からは、「これ」しかやらない 大塚寿 著

1.はじめに

大塚さんの著書は、以下に続き2冊目です。

bookreviews.hatenadiary.com

前著では、50歳を過ぎてからの転職は決して簡単ではなく、たとえ早期退職制度があったとしても、その後のキャリアが甘くないことを再認識しました。

私自身、今の会社の制度上は定年が65歳ということもあって、もう少しリアルに近い50代の過ごし方について考える一助としたいと考え、本書を手に取りました。

本書の目次は以下の通りで、それぞれを要約するのでなく、特に印象に残った部分に絞って引用していきます。

  1. 「定年」と真正面から向き合い、準備する
  2. 後悔しない「会社人生の終わらせ方」
  3. 50代で必ず手放すべき6つのこと
  4. 転職・再就職・・・定年後のキャリアで後悔しない
  5. すべての「人間関係」を50代で再構築せよ
  6. 50代で「一生勉強する自分」を手に入れよう

2.内容

  • 50代になり、プライベートが一段落し、役職的にもある意味「上がり」の状況に近づいたことで、ふと「自分の会社員人生は、なんだったろう」と考える時間ができたことが、焦りの原因ではないか。なぜ焦るのかと言えば、「まだ、何かをやり遂げる時間がある」からに他ならない。もう取返しがつかないのなら、後悔はしても「焦る」という感情は持ちえない。何かができるのに、何をやっていいかわからない。つまり、50代の「焦り」の正体は「迷い」
  • 会社から命じられたことを疑いもなくこなそうとするのではなく、1歩引いた立場で、「本当にこれはやるべきか」を考えてみる。そうして、自分で取捨選択し、自分にとっても会社にとっても最善の道を探ることが定年後に「1人で考え、1人で決める」ためのリハビリになるはず。その結果、「わがままな人」「面倒な人」のレッテルを貼られたところで、どうせ会社人生はあと10年弱。そう割り切ってしまえばいい。
  • 50代あるいはそれ以前で「出世競争から降りた人」のほうが、最後まで出世レースに参加した人よりも、明らかに楽しい定年後を送っている。「別に出世なんかしなくてもなんとかなる」と開き直ることができれば、不要なストレスからは解放される。「失敗した人」「病気をした人」は、比較的すんなりとコミュニティに入っていける人が多い。人生とは、勝ち負けの二元論では、到底、理解できるものではない
  • 「時間できたらやろう」と思っているようなことは、いつまでたってもできないのが現実。最初から、そのための時間を予約しておく必要がある。つまり、スケジュールを立てるにあたって、まず、「自分のための時間」を確保する
  • 「これだけはやりたくない」「苦手」なことを挙げてみる。やりたくないこと、苦手なこと以外だったらなんでもいいと割り切ってしまう。むしろ50歳を過ぎて「やりたくないこと」をやるのは、時間のムダ。「嫌でないものをやる」中で、自分の本当にやりたいことが見つかるケースは多い。
  • 50代に求められるのは、「スキルの絞り込み」。「得意なもの」だけに集中し、あとは捨て去ってしまう。50代以降は「苦手なものをなくす」という発想をやめてしまう
  • 50代になったら、まず手放してもらいたいのは、「仕事に対する責任」。これまで、過剰なまでに会社からの期待に応えようとしてきた意識を変え、期待に応えられなくても「まぁいいか」くらいに思うようにしてほしい。
  • 「1を聞いて10を知る」人間だと思われたいがため、少しだけ話を聞いてわかったような口をきいたりしたことが、「話を聞いてくれない」という悪印象につながる。
  • 専門知識を持つ人を失って困るのは、むしろ会社のほう。会社への貢献という意味でも、堂々と主張すべき。産業医や社内カウンセラー、あるいは人事への申告制度など、使えるものはなんでも使う。最後の10年くらい、人間関係についてもある程度わがままになってしまってもいい。「いい人」「八方美人」を手放す
  • 妙なプライドを持った「出世組」に比べ、そうしたしがらみから解放されている「非出世組」のほうが、人間的に愛されてコミュニティに溶け込みやすいという側面もある。そのコミュニティも1つだけではなく、できれば5つくらいのコミュニティの一員であるのが理想
  • 「学び直し」はモチベーションアップに最適。かつて一度学んだことの「学び直し」を意識する。若い頃に一度頭に入れた分野は、上達スピードが格段に速くなる。自分が向いていることを突き詰めたほうが効率も上がり、「○○に強い人」という印象を周囲に与えることもできる
  • 50代以降は、新しい人間関係に、否応なく飛び込まざるを得なくなることが増える。転職はもちろん、異動や出向になる可能性があるし、定年後は新たなコミュニティに参加することも増える。当然、新しい人との出会いが増える。その際、「自分は何者か」を端的に話すスキルが必要。自分が話したいことではなく、相手が聞きたいと思うことを話す。

3.教訓

20代の頃、多忙が続いたことで体調を崩した時期があり、その頃から「自分は出世コースには乗れないだろう」と薄々感じていました。そして今、その予感は現実のものとなっています。

先日受講した「たそがれ研修(*)」では、人事部から「まだ定年まで15年あります。これからもイキイキと働くことを考えていきましょう」という前向きな挨拶がありました。

しかし、具体的な講義が始まり、人事制度やマネープランの説明を聞くにつれ、シニア世代に対する会社の期待値は決して高くないのだと痛感しました。

  • 55歳で全社的に役職定年が若手登用を進めていく方針であること
  • グループ会社への出向が始まり、給与水準が下がっていくこと
  • 50歳を節目にキャリアビジョンを再考すること

(*たそがれ研修についての参考記事)

president.jp

こうした現実を踏まえて本書を読むと、もはや「上を目指して追いかける」年齢ではなく、どこかで割り切り、考え方をシフトしていく必要があるのだと強く感じました。

そもそも、世の中の誰もが役員になれるわけでも、希望どおりのキャリアを歩めるわけでもありません。定年までの働き方だけでなく、その先の人生まで視野に入れるなら、どこかでマインドシフトが必要になるのは当然のことだと思います。

むしろ、変なプライドを手放し、自分の時間を確保できるほうが、会社の外のコミュニティではうまくやっていけるのだろうと感じます。本書には、昔の肩書にしがみつき、同窓会で昔の名刺や「元○○部長」と書かれた名刺を配って“痛い人”になってしまうエピソードも紹介されていました。名刺なしで自分を語れるようになることは、アイデンティティを再構築するうえでも重要だと考えています。

さらに、第2章には「自分は何者か」を見つめ直すための「14の質問」が掲載されており、一度立ち止まって自分の「たな卸し」をし、「自分の原点」を見つめ直すことの大切さが説かれています。「時間ができたらやろう」では永遠に進まないという指摘もありました。だからこそ、自分の中で期限を決め、その質問への回答をしっかりと言語化していきたいと考えています。