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天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ 北野 唯我 著

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天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ [ 北野 唯我 ]
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1.はじめに

北野さんの本は、以下の本に続いて2冊目です。

bookreviews.hatenadiary.com

本書では、人は大きく分けて天才・秀才・凡人の3タイプに分けられ、さらに7タイプに細分化できること、また1人の中に一定割合のタイプが同居していること、それぞれのタイプの間で相互にプラス・マイナスの感情が働いていることなど、図を織り交ぜながらわかりやすく説明がなされています。

しかし、本ブログは書籍の要約ではなく、気になったフレーズの書き抜きが主です。

全体のストーリーを理解したい人は、本書内の解説に「90分で読める物語」と記載されている通りで偽りはなく、会話調になっているため本当に90分あればスラスラ読めてしまうので、ぜひ手に取っていただければと思います。

2.内容

(1)ステージ1:才能ってなんだろう

  • 学歴が良くて仕事のできる人間ほど、強みで愛されているとよく勘違いする。しかし、真実はむしろ逆で、弱みがあるからこそ人は愛される。つまり、才能は「愛される余白」。
  • 人間が抱えるほとんどの悩みは、「自分のコントロールできないことを、無理やりコントロールすること」から生まれている。人が一番思い悩む根本は、「自分の才能をコントロールしようとしたとき」
  • 天才は「創造性」という軸で物事を評価する。対して秀才は「再現性(≒論理性)で、凡人は「共感性」で評価する。具体的に言うと、天才は「世界を良くするという意味で創造的か」で評価をとる。一方で、凡人は「その人や考え方に共感できるか」で評価をとる。
  • 創造性は”間接的”には観測することができる。それが凡人の「反発の量」である。だからこそ、”一見すると反対したくなるもの”ほど、創造的なものが眠っているかもしれない。
  • 経営はアートとサイエンスとクラフトである。サイエンスは証明でき、説明能力が高い。一方でアートは証明できない部分がかなり多い。アートはあるべき姿を照らすもの、サイエンスは現状を見つめるフラスコ、そしてクラフトはその両者の溝を埋めるシャベル。つまり、理論としての経営とは、本来、この役割を理解して進めるもの。
  • 共感性とは往々にして「物語のどこを切り取るか」によって決まる。だから共感性だけを軸にして経営の意思決定をすると間違う。共感性は、一見すると根深そうに見えるが、実は「すぐにひっくり返るもの」でもある。
  • 人生は、配られた才能で戦うしかない。どのカードが当たるかはわからない。大事なのは、自分に配られたカードが何かを知ること。そして、そのカードの使い方を知ること
  • もっと大事なのは、自分に配られたカードを世の中に出し続けること。そうすれば、過去最高の自分に出会えることが約束できる。才能は絶対に磨かれていく。そして、見たことのない自分に出会える。これが才能を使うことの最大のメリット。

(2)ステージ2:相反する才能

  • 三者のコミュニケーションは、「軸」が違うから影響に交わることはない。
  1. 主語を、人メインで語る人。凡人に多い。
  2. 主語を、組織やルールなどの善悪で語る人。秀才に多い。
  3. 主語を、世界や真理など、超越した何かで語る人。天才に多い。
  • 秀才は、再現性を一番大事にする。そやから、自分が過去に言った発言も一番覚えているし、変えたくない、と思っている。だから、相手が使った言葉から、目的や背景を説明する。再現性の世界で生きる秀才タイプは「新しいこと」より「すでに世の中で発言されたこと」のほうが安心する。
  • 成功の上澄みだけを教科書で学んできた「秀才」は、自分は科学を使いこなせると勘違いする。失敗したことがない秀才が、組織の上に立ち、サイエンスを振りかざしたとき、天才を殺してしまう。

(3)ステージ3:武器を選び、戦え

  • 天才は、共感の神に支えられ、創作活動ができる。そして、天才が生み出したものは、エリートスーパーマンと秀才によって「再現性」をもたらされ、最強の実行者を通じて、人々に「共感」されていく。これが人間力学から見た「世界が進化するメカニズム」。
  • 他人の言葉は便利。自分が主語じゃないから、意思はいらない。究極的に他人のせいにもできる。でも、自分が本当に人を動かしたいと思ったら、自分の言葉を使う。他人の言葉では人は動かせない。
  • どんな才能を持った人でも、それを表現する「武器」がなければ、世の中に伝える方法がない。そして、この「武器」を理解している人は、場面に応じて「どの武器を組み合わせるか」を選ぶ。
  • 頭の中で、天才→秀才→凡人の三者が順番に出てくる。頭の中にいる「天才」が思いついたアイデアを、社会的な基準やロジックで「良いか悪いか」を判断するのが秀才。そして、最後に「恥ずかしい」とか「周りからどう思われるか」と感情で判断する凡人が出てきてしまう。
  • 天才とは、「自分に合った武器」を手にしたうえで「ストッパー」を外した人間。才能を活かせないのは、才能があるかないかより前に「ストッパーとなる存在」を取り除くほうがはるかに大事。これが本当の自分になるための方法論。

3.教訓

この本を読むことで、それを天才と呼んだり凡人と呼ぶのが適切かどうかはさておき、改めて以下の事柄について再認識することができました。

  • 人それぞれ持って生まれたモノの見方には違いがある、また1人の人間の中に複数の面が同居している
  • 自分が見えている世界を、ほかの人も同じ景色で見ているとは限らない
  • 人はタイプが違うゆえに理解できない面があり、それが羨望も蔑みも生む
  • 異なるタイプの人々を橋渡しできる人が組織を進化させる

内容は至ってマイルドで、タイトルほどの毒々しさはないので、コミュニケーションについて理解を深めたい人であれば、タイトルだけで毛嫌いすることなく、渋谷のハチ公がしゃべるという設定にツッコミを入れることもなく、フラットな気持ちで読んでもらうのがいいかと思います。